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男子100メートル走、歴代王者が競ったら…

男子100メートル走 主な優勝者
男子100メートル走 主な優勝者

 0.01秒のため不断の努力を注ぐ短距離走、持久力の限界に挑むマラソン-。陸上をはじめさまざまな競技・種目のアスリートが、五輪大会の歩みとともに世界記録を塗り替え、人類の新たな領域を切り開いてきた。第1回大会からの約120年間は、記録更新の歴史ともいえる。「スポーツの原点」として特に注目を集める男子100メートルで、五輪史に名を刻んだスプリンターたちが競い合えば、どれだけ差がつくのだろうか。時空を超えて集結した伝説級のメンバーによるレースで検証してみよう。

 歴代の五輪王者ら7人による夢のレースは、史上最速の「稲妻」が圧勝劇を演じきった。3度の五輪優勝を誇るウサイン・ボルト(ジャマイカ)が大差をつけてゴールに飛び込んだ。

 2位集団は4人。ボルトから2メートル92センチ後方に、五輪金メダル9個を誇るカール・ルイス(米国)。後半の驚異的な伸びで集団から一歩抜け出した。1968年に史上初の9秒台をマークし、電気計時でも9秒95をたたき出したジム・ハインズ(同)が続き、日本記録保持者として特別参加した桐生祥秀(日本生命、洛南高-東洋大出、彦根市出身)も食らいつく。前回東京覇者のボブ・ヘイズ(米国)をわずかにリードした。

 さらにそこから約7メートル後方に、100年前の王者チャールズ・パドック(同)。走り抜けずゴールに飛び込む「フライングフィニッシュ」で名を響かせたが、まだ、その準備態勢にも入れていない。第1回大会で優勝したトーマス・バーク(同)はゴール地点から約20メートルも後方。当時はクラウチングスタートを取り入れ短距離界をリードしたが、及ばなかった。

(レース条件など考慮せず、各選手のタイムで単純比較)

 ◆時代とともに環境整う

 福士加代子(陸上)や大家友和さん(元米大リーグ投手)らトップアスリートを支える中田佳和パフォーマンスコーチ(ブライト・ボディ代表)の話 陸上の記録更新は、サーフェス(路面)の整備が大きな要因の一つ。第1回大会のような土の地面から、舗装されたアスファルト、最新技術でつくられたトラックに変わり、それに適した練習法、シューズが開発されてきた。時代とともに競技のすそ野は広がり、スポーツ科学も発展し、能力の高い選手が輝きやすい環境が整ってきた。

 時代背景が異なるため、単純な記録の比較は危うい部分もあるが、時代とともに「最速」の常識が変わる側面に注目してほしい。モーリス・グリーン(米国)が世界最強を誇った2000年前後の男子100メートルは、身長170センチ台の選手が最もタイムを出せるとされていた。だが、身長196センチのボルトが異次元の世界記録をたたき出した。ボルトの特徴に合わせたコンディショニングのたまものと聞く。現場では、選手の力を最大限に引き出す挑戦が日々続けられている。

【 2018年12月01日 09時53分 】

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