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王将創業家と反社会的勢力の関係 事件後の第三者委報告書

王将社長殺人の経過
王将社長殺人の経過

 京都市山科区の王将フードサービスの大東(おおひがし)隆行前社長=当時(72)=が2013年12月19日に射殺された事件を受けて、王将は2016年3月29日、事件を受けて設置した第三者委員会の調査報告書を公表。「反社会勢力との関係の存在は確認できなかった」とする一方、王将創業家と親交が深い会社経営者との間で約10年前まで不適切な取引が続き、王将から約200億円が流出していたことを明らかにした。

 弁護士ら3人の委員が同年1~3月、創業家や同社役員ら32人に聞き取りした。取引先約1400社については、新聞や調査会社などのデータで判断し、「反社会勢力との関係はない」と結論づけた。

 事件前の13年9月には、この企業グループと創業家の不透明な関係を問題視する社内報告書案が臨時取締役会で提示されたがすぐに回収され、同11月にまとまった同報告書が非公表とされたことも第三者委は明らかにした。事件との関係は不明だが、大東さんが殺害されたのはその約1カ月後だった。

 第三者委は、王将が過去の不適切な取引について、射殺事件前のこの内部報告書をあらためて検証。王将は1995年から10年間、この会社経営者が関係する企業グループとの間で、多額の貸付や不動産売買など総額約260億円に上る不透明な取引を繰り返し、約200億円を流出させた。うち、約170億円が未回収になった、とした。

 王将は当時、この企業グループとの取引を一部継続しており、第三者委は「現経営陣は漫然と維持し、事実認識の不十分さと問題意識の希薄さに起因する」と批判、この会社経営者を「接点を絶たなければならない相手だ」と指摘した。同日会見した王将の渡邉直人社長は、会社経営者については「反社会的勢力との認識はない」とする一方で、関連企業との契約を打ち切る意向を示した。

 2016年7月、王将フードサービスは、創業家出身の旧経営陣との取引を見直したと公表した。本社(京都市山科区)に間貸ししていた旧経営陣の財団事務所を移転させるなどしたという。

 旧経営陣が役員を務める公益財団法人「加藤朝雄国際奨学財団」を27日付で本社から移した。また、借り上げ社宅として使っていた元社長らの物件の解約に伴い、申し入れていた敷金の返還を受けたという。

 同社は「今後も企業統治を強化し、経営の透明性を高めたい」(広報担当)としている。

 大東前社長は「餃子の王将」の全国展開を主導し、約470億円の有利子負債を大幅に減らして、東証1部上場を果たすなど経営再建に尽力した。

 京都府警捜査本部(山科署)は、実行犯の逃走用バイクを調達した際に使われたとみられる不審な九州ナンバーの軽乗用車を検証するなどしているが物証は乏しく、捜査は長期化している。

 事件発生は2013年の師走の早朝。大東さんは京都市山科区の同社本社前の駐車場で凶弾に倒れた。現場から薬きょう4個と25口径の銃口から放たれた弾丸が見つかったが、凶器の特定には至っていない。周辺で押収されたたばこの吸い殻からは暴力団組員のDNA型が検出されたが、捜査かく乱のために別人が吸い殻を捨てた可能性は捨て切れないという。

 これまでの捜査で、2014年4月、現場から北東約2キロのアパート駐輪場に放置されていた小型オートバイから銃を撃った際に残る硝煙反応が検出された。近くにはナンバープレートが付け替えられた盗難バイクが乗り捨てられており、捜査本部は、実行犯が現場から2輪を乗り継いで逃走したとの見方を強め、2台を押収している。

 捜査関係者の説明では、13年10月9日、京都市伏見区の飲食店の防犯カメラにこのバイクを盗む2人組とともに白い軽乗用車が映っていた。同日、京都府城陽市では小型オートバイも盗まれた。

【 2018年12月19日 11時35分 】

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