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本庶佑さん「社会的な問題」子宮頸がんワクチン接種低迷を指摘

お土産のチョコレートに関する質問を受け、笑みを浮かべる本庶佑・京都大特別教授(26日午後2時10分、京都市左京区・京都大学高等研究院)
お土産のチョコレートに関する質問を受け、笑みを浮かべる本庶佑・京都大特別教授(26日午後2時10分、京都市左京区・京都大学高等研究院)

 2018年のノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑(ほんじょたすく)・京都大特別教授(76)が26日、京都市左京区の京都大で記者会見し、「研究と若手の支援に引き続き努力していきたい」と今後に向けた抱負を語った。研究者支援のためノーベル賞の賞金を原資に設立した基金について「1億円を寄付してくれた知人がいた。大変うれしい」と、順調な滑り出しを報告した。

 若手研究者は留学など国際的環境に触れる機会が低下していると懸念を示し、「サイエンスは文化の一部。海外の違う種類の考え方を体験することは極めて重要」と指摘した。また研究を評価する側にも、論文が掲載された雑誌に注目しすぎるなど問題があると注文をつけた。

 ストックホルムで過ごしたノーベルウイークでは、受賞記念講演について「一番時間をかけて準備した。多くの人からよかったと評価してもらい大変満足している」と喜んだ。ただ数人しか共同研究者を招待できず、現地でも交流する機会が少なかったことを残念がった。

 ノーネクタイで、終始リラックスした表情だった本庶特別教授。ノーベル賞を巡ってお土産のチョコレートにまで関心が集まった日本の報道について「科学に関心があったのか。下世話な報道が多かったのでは」と、いつもの「辛口」は健在だった。

 このほか科学全体の潮流を巡って幅広く見解を語った。子宮頸(けい)癌の主な原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)のワクチン接種が低迷している現状について「ワクチンを接種できるのにやっていないのは世界中で日本だけ。若い女性に発症しやすく社会的に大きな問題」と指摘した。

【 2018年12月26日 18時24分 】

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