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京都のホームレスら救護施設 隣市住民が反対する経過とは

救護施設の建設予定地は、京都市と向日市の市境にある
救護施設の建設予定地は、京都市と向日市の市境にある

 京都市は2016年、ホームレスの人たちを支援してきた更生施設「京都市中央保護所」(下京区、定員30人)を廃止し、代替施設を「民設民営」の救護施設(定員60人)として整備する方針を決めた。18年6月に事業者を公募。中央保護所の指定管理者である「みなと寮」だけが応募し、選定された。

 みなと寮が向日市に隣接する今回の土地を購入したのは16年。京都市が事業者公募を決める2年前だった点について、向日市民から説明を求める声もある。

 建設予定地は名神高速道路のそばの京都市域だが、向日市との境界にある。予定地からみて京都市側は工場や農地が多い一方、向日市側は住宅街が広がり、最寄り駅も向日市側にある。

 救護施設は地域移行を支援しており、入所者は外出して地域と交流することを通じて社会経験を徐々に積み重ねる。みなと寮が大阪府吹田市で運営する救護施設「千里寮」では、地域住民や自治体と連絡協議会を設けて意見交換を続けている。開設当初は反対運動があったものの、入所者が地域で清掃ボランティアを行ったり、施設側も会議室を貸し出して住民に利用してもらったりして現在は交流が生まれているという。

 千里寮では、福祉相談窓口の設置をはじめ、地域で暮らす生活困窮者の就労支援なども行っており、法人担当者は「共生社会の一翼を担わせてほしい」と呼び掛けている。

◇第2回住民説明会で配布された、第1回住民説明会(2018年11月23日、上植野公民館)の質疑応答要旨

(問)学校が近く、子どもも多い当該地域に、このような施設が建設されることに不安を感じている

(答)入所にあたっては、福祉事務所や施設が事前に面接を行い、規則やルールを守ることができるか、集団生活が行えるか等の適性を判断します。また、みなと寮がこれまで運営してきた施設において、地域の住民に危害を加えるような事例は1度も発生しておらず、今回、整備を予定している施設においても、十分な管理体制のもと運営してまいります。

(問)京都市自らが救護施設を建設する方法もあったと思うが、なぜその方法をとらなかったのか

(答)京都市の方針として、民間ができることは民間に行ってもらうこととしており、民間のノウハウや経験を活用することで効果的な運営が行えるものと考えています。また、救護施設の7割程度が民設民営となっております。

(問)みなと寮はなぜ当該用地を選んだのか

(答)当該施設整備に必要な面積が確保できること、また交通の利便性もある場所として、総合的に判断しました。

(問)公募の結果がみなと寮1者のみであり、不適切ではないか

(答)公平性の観点から広く公募は行っており、問題があるとは考えておりません。

(問)計画の白紙撤回に向けた協議の場を設定してもらいたい

(答)計画の白紙撤回については判断できかねますが、引き続き、地域の皆様に御理解いただけるよう、御説明させていただきます。

【 2019年01月17日 10時40分 】

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  • 救護施設の建設予定地は、京都市と向日市の市境にある
  • 京都市の中央保護所廃止に伴い、向日市との市境に計画されている救護施設建設予定地
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