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市バス、大型手荷物「持ち込み料」案も バス巨額赤字対策で

公営バスの走行距離当たり収支のグラフ
公営バスの走行距離当たり収支のグラフ

 一部の民間バス会社による運行受託の撤退・縮小に伴って大幅な赤字に陥る見通しとなった京都市バスで、増収対策が焦点となっている。市バスの走行距離1キロ当たりの収入や運送収益は全国の政令指定都市などが運行している公営バスの平均を下回っており、有識者からは1日券の値上げや回数券の割引率引き下げ、大型手荷物の持ち込み料金徴収などにより、客単価を高める対策の検討を求める声が出ている。

  市交通局の2017年度決算によると、市バスの走行距離1キロ当たりの収入は674円で、8都市の公営バスの中で下から2番目。広告料といった付帯収益などを除いた運送収益も634円で中位にとどまる。一方、支出では人件費が安価な民間バスへの運行委託などの効果で603円と最も低コストとなっている。この収益構造が15年連続で経常黒字を確保する要因になっていた。

 しかし現在、運行を委託している京阪バス(南区)が19年度限りで撤退し、西日本ジェイアールバス(大阪市)も19年度から縮小することが決まった。市は両社に委託している路線を順次直営化する必要があるため、支出が膨らみ、今後10年間の経常赤字額の合計が100億円を超える見込みで、収益改善が急務となっている。

 昨年12月の有識者委員会では今後の厳しい経営見通しを踏まえ、対策の議論を始めた。運転士不足で増車が難しい中、乗客1人当たりの支払運賃を引き上げる必要性を指摘する声が相次いだ。

 市交通局は昨年、観光客を混雑が激しい市バスから市営地下鉄に誘導するため、バス・地下鉄1日券を値下げする代わりに、バス1日券を500円から600円に値上げしたばかりだが、委員からは状況の変化を受け、700円への再値上げや観光シーズンの販売中止など多様な案が出た。

 市バスの正規運賃は大人230円だが、昼間回数券は1枚当たり実質166円のため、割引率が高すぎるとして見直しを求める声も上がった。旅行用のキャリーバッグなど大型手荷物の持ち込みに追加料金を徴収する提案では、今春以降に導入が順次始まる「前乗り後降り方式」に合わせた導入を求める意見もあった。

 市交通局は19年度から10年間の経営ビジョンを策定中で、有識者委員会は増収対策を含めて1月末に答申する予定。

 市交通局は、現時点で正規運賃の値上げには否定的で、「収入改善に向けて他のあらゆる努力をしたい」としている。

【 2019年01月20日 12時10分 】

ニュース写真

  • 公営バスの走行距離当たり収支のグラフ
  • 民間バス会社による運行受託の撤退決定に伴って、増収策が急務になっている京都市バス(南区・九条営業所)
岸田繁 交響曲第一番・第二番 連続演奏会 2019.10.5

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