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女性差別関わる経典の紹介、東本願寺が差し替え 研究者が抗議

パネルが差し替えられ開かれた「経典の中で語られた差別」展の会場(京都市下京区・東本願寺)
パネルが差し替えられ開かれた「経典の中で語られた差別」展の会場(京都市下京区・東本願寺)

 真宗大谷派が、本山・東本願寺(京都市下京区)で開いている企画展で、女性差別に関わる経典の記述を紹介する展示を「宗門としての見解が出されていない」などとして、差し替えさせていたことが14日、分かった。宗派の依頼を受け展示内容を企画した研究者は「大谷派は女性室を設置するなど先駆的な取り組みをしてきただけに残念でショックだ」としている。

 企画展は12月6日から今月15日まで開催の「経典の中で語られた差別」。差し替えられたのは、女性は仏になれないとする「女人五障(にょにんごしょう)」▽女性は男性となって成仏するとする「変成男子(へんじょうなんし)」▽女性が罪深い存在と記す蓮如の「御文」―を紹介するパネル案3枚で、いずれも世界人権問題研究センター(中京区)の源淳子嘱託研究員(71)が同派職員と協力して作成した。

 源さんによると、企画展開催前の昨年11月下旬、このパネルについて宗派が差し替えを求めた。数日後に職員が「女性差別として断言してはならない」「筋道が立っていない」などとの理由を説明したという。源さんは職員らと大学入試での女性差別などを紹介するパネルを新たに作成、展示した。一方、「核心的な内容の3枚が外された」として今年1月28日に同派の但馬弘宗務総長(59)に抗議文を送った。

 源さんは14日に東本願寺で行われたシンポジウムで経緯を明らかにした上で、「(女性問題に関して)大谷派の取り組みは先駆的だと理解してきただけに取り下げを要求するとは思いもよらなかった」と話した。

 但馬宗務総長は「現段階で宗派として、経典における女性差別に関して正式な見解を出し得ていない状況のため、展示を差し控えさせていただいた」とのコメントを発表した。

 同企画展を巡っては、宗派は「女性、アウトカーストに対する時代社会に開かれた仏事のあり方を共に学ぶ一歩としたい」と開催意義を宗務総長名で発表している。

【 2019年02月14日 20時43分 】

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