出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

地下「能舞台」自宅に建設 京都の能楽師、4月3日公演

北大路駅のそばに、鏡板も備えた本格的な能舞台を造った能楽師の分林道治さん。「能を間近に楽しんでもらえるはず」と語る(京都市北区烏丸通北大路上ル)
北大路駅のそばに、鏡板も備えた本格的な能舞台を造った能楽師の分林道治さん。「能を間近に楽しんでもらえるはず」と語る(京都市北区烏丸通北大路上ル)

 京都市営地下鉄・北大路駅そばに、新しい能舞台ができ、初の公演「さくら能」が4月3日に開かれる。観世流能楽師の分林道治(わけばやしみちはる)さん(51)が自宅を兼ねたビル「真謡(しんよう)会館」(烏丸通北大路上ル)の地下に、100人近くが入れる客席とともに、こしらえた。「能の楽しみを伝えたい」と、ワークショップ(体験講座)的な催しも開く。

 北大路ビブレの東側、会館の地下へ降りると、吉野産ヒノキを使った真新しい舞台が迎えてくれる。地下にある能舞台は京都初。三間(さんげん)(5・4メートル)四方の本舞台や客席、楽屋など一定の広さを確保するには地下が最適だった。さらに「地下だと防音がしっかりし、深夜でも謡の稽古ができる」と、思わぬ効果もあった。

 分林家は、京都能楽界の長老として2003年に94歳で亡くなった祖父保三(やすぞう)さんをはじめ、父の故弘一(こういち)さん、道治さんと3代続くシテ方の家。祇園祭では鈴鹿山など四つの山のご神体の衣装付けも担う。北大路には、1985年に稽古用能舞台を備えた会館を建設。今回、新たに地下を掘って建て替え、公演もできる設備にした。

 東京芸術大卒の道治さんは、大学の先輩でもある狂言師野村萬斎(まんさい)さん(52)宅など多くの能舞台を見て回り、設計の参考にした。鏡板の老松は、京都芸術短大卒の日本画家・福永明子さんが描いた。

 道治さんは20代の頃、京都を代表する能楽師、故片山幽雪(ゆうせつ)さんに内弟子修行をした。その縁もあり、昨年の舞台披(びら)きには幽雪さんの長男片山九郎右衛門さん(54)や萬斎さんが能「翁」を披露。幽雪さんの長女、京舞井上流家元の井上八千代さん(62)も「倭文(やまとぶみ)」を舞い、舞台を寿(ことほ)いだ。

 1階には茶室を設け、道治さんの母親らが裏千家の茶道教室も開く。「謡や茶道といった日本文化を国内外に発信したい」と語る。

 4月3日午後2時からの「さくら能」では、道治さんが世阿弥作の能「忠度(ただのり)」を披露。平清盛の末弟にあたる和歌の名人・平忠度を題材にした能で「勇壮さと優雅さを兼ね備えた人物像を、初心に立ち返って表したい」と語る。九郎右衛門さんの仕舞「実盛(さねもり)」もある。5千~6千円。午前中に解説講座も催す。

【 2019年03月18日 10時51分 】

ニュース写真

  • 北大路駅のそばに、鏡板も備えた本格的な能舞台を造った能楽師の分林道治さん。「能を間近に楽しんでもらえるはず」と語る(京都市北区烏丸通北大路上ル)
京都新聞デジタル版のご案内

    地域のニュース

    全国のニュース