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「けいおん!」舞台の旧校舎どう生かす? 町長選で問われる戦略

旧豊郷小学校校舎正面(滋賀県教育委員会提供)
旧豊郷小学校校舎正面(滋賀県教育委員会提供)

 14日スタートの統一地方選後半戦で、首長選として滋賀県内では唯一、豊郷町長選(16日告示、21日投開票)が行われる。湖東の田園地帯に位置する同町は、65歳以上人口が26・0%(2017年、県平均25・3%)で、地域活性化が課題の一つだが、旧中山道やヴォーリズ建築の旧豊郷小などの観光資源を活用できていない現状がある。地域コミュニティーの構築や、築約90年の町役場庁舎の耐震化も求められている。

■観光客人気も滞在時間短く

 テレビアニメ「けいおん!」の舞台とされる同町石畑の旧豊郷小。09年の放映以来、町内屈指の観光地となっている。年間5万人が訪れたピーク時(10年)ほどの来場はないものの人気は根強く、海外からの観光客も絶えない。

 同小に事務所がある町観光協会の職員馬場眞貴子さん(27)は、校内を案内するなど来場するファンに接する中で、ある傾向に気づいたという。来場者の多くは京都市内など都市部に宿泊して日帰りで豊郷を訪れるため、滞在時間は短い。

 馬場さんは「町内での滞在時間がもっと長くなれば地元にお金も落ちる。地元に宿泊施設ができれば」と思い巡らせる。

 同町はJR稲枝、河瀬両駅に近接していることもあって宅地開発が進み、子育て世帯を中心に人口が流入している。一方で、こういった「新住民」と旧来の住民が共にコミュニティーを形成する動きは乏しい。

 空き家を活用して子ども食堂を開いたり、地域住民が集う場を提供したりする「とよさとまちづくり委員会」の北川稔彦理事長(57)は「新住民」と旧来の住民との間に隔たりを感じているという。「若い世帯にコミュニティーに入ってもらうためにはどうするべきか模索したい。そのためには行政の力が必要。補助金を出すだけでなく、私たちの活動を広報してもらいたい」と訴える。

■庁舎耐震化も課題

 改築を含めた庁舎耐震化も待ったなしだ。庁舎は11年に耐震化が必要と診断され、1930年に建てられた本館の一部は耐震化工事すら行えないと判断された。町は2012年以降、耐震化を含む4種類の増改築案を町議会に提示したが、財政難を理由に一部の議員が難色を示し、対策は宙に浮いたままになっている。

 16年の熊本地震では現地の行政庁舎も被災し、災害対策や復興の拠点として機能しないケースが見られた。町内の男性(69)は「災害時に役場が機能しないのでは困る。建て替えは必要」と話す。

 国は17年度、災害時に業務継続に支障の出る恐れがある庁舎の建て替えを緊急に行う「市町村役場機能緊急保全事業」を創設した。町にとっては追い風と言えるが、同事業による財政支援を得るには20年度までに着工しなければならず、早急な事態打開が求められる。

【 2019年04月15日 09時50分 】

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