出版案内
福祉事業団
京都新聞AR

繰り返された事故「ハンドル握る意識変えて」亀岡事故遺族が心痛

大津で起こった事故について、思いを語る中江美則さん(京都市内)
大津で起こった事故について、思いを語る中江美則さん(京都市内)

 大津市で8日に車が保育園児の列に突っ込み園児2人が死亡、14人が重軽傷を負った事故を巡り、2012年4月に京都府亀岡市で発生した集団登校事故の遺族が心を痛めている。亀岡事故では児童2人と付き添いの妊婦1人が亡くなり、7人が負傷した。「ハンドルを握る人の意識を変えなければ」。「泣き崩れた園長先生を見て、かわいい子どもたちを失った悲しみが伝わった」。繰り返される惨劇に憤り、大津事故の遺族や関係者を思いやった。

 次女の小谷真緒さん=当時(7)=を亡くした真樹さん(36)は仕事でトラックを運転しており、事故現場を通ったこともある。歩道があって見通しのよい交差点。「何があったんやろう」。園児2人が死亡したとニュースで知り、言葉が出なかった。事故翌日の9日夜には現場を訪れて献花し、手を合わせた。

 亀岡事故の発生から7年となる4月23日に法要を営み、事故抑止への願いを語ったばかりだった。これまで全国各地で講演も繰り返してきた。「何も響いていなかったのか」。無力感にさいなまれている。

 大津の事故は、運転手の不注意が背景にあるとみられる。しかし小谷さんは、社会に「不運な事故」という見方が広がることを懸念する。「交通事故を防ぐのは、最終的にはドライバーの心がけ。それを忘れてはいけない」と訴えた。

 亀岡事故で長女の松村幸姫さん=当時(26)=を失った中江美則さん(55)は、記者会見で号泣する園長の映像を見て「犠牲になった子どもたちを心から慈しんでいたことがよく分かった」と受け止めた。

 中江さん自身、無免許など悪質な運転への厳罰化を求めて取材を受け続け、法改正につなげた。カメラの前で、怒りや悲しみといった感情の高ぶりをあらわにしたこともあったが、「今でもカメラの放列の前に立つと、苦しくて足が震える。本当は取材を受けるのがつらい」と吐露する。一方で「遺族によって考えはさまざまだろうが、僕の場合は、しんどくても社会に訴えたいことがあった」と語る。

 その上で「記者会見で園長先生は泣き崩れてほとんどしゃべれなかったが、ただかわいそうと言うだけでなく、その姿から伝わる事故の理不尽さに目を向けたい」と述べた。

【 2019年05月11日 11時00分 】

ニュース写真

  • 大津で起こった事故について、思いを語る中江美則さん(京都市内)
岸田繁 交響曲第一番・第二番 連続演奏会 2019.10.5

    地域のニュース

    全国のニュース