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目立つ還元、統治強化 京都・滋賀の上場企業で株主総会始まる

3月期決算の京滋上場企業の株主総会日程
3月期決算の京滋上場企業の株主総会日程

 3月期決算を採用する京都、滋賀の上場企業の定時株主総会が、18日から始まる。業績拡大を受けて配当を増やすなど株主還元を強化する企業が目立つ一方、企業統治に対する国内外の機関投資家の厳しい視線を意識した施策も見られる。総会では、米中間で深まる経済対立の影響や、経営環境の急速な変化を踏まえた事業再編にも関心が集まりそうだ。

 金融関係を除く京滋の上場企業46社の2019年3月期決算は、増収が7割、経常増益は6割を占めた。好業績を受け、全51社のうち約半数の24社が年配当を増やすと発表。家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」が好調だった任天堂は、経常利益と純利益が前期から4割伸び、年配当を1株220円増の810円に増配する。

 配当と並ぶ株主還元策として近年目立つのが自社株買いだ。取得株を消却すれば株式数が減って1株当たりの利益上昇が見込め、企業の財務改善にもつながる。金融情報サービスのアイ・エヌ情報センター(東京)によると、国内の上場企業による自社株の取得額は18年度に計5兆9765億円に上り、過去最高を更新した。

 京滋でも京セラが自社株買いを新たな株主還元に位置づけ、18年度には400億円を投じた。このほか任天堂が310億円、オムロンは289億円を費やし、大手メーカーを中心に積極化した。

 相次ぐ不祥事で厳しさを増す統治体制に対する投資家の目線も、企業を動かす。京セラやKTCは役員の指名や報酬を審議する諮問機関を新設し、経営の透明性を高める手だてを講じる。

 独立した立場の社外取締役の起用も進み、取締役全体の3分の1以上を選任する東証1部上場企業は昨年7月末時点で33・6%と3割を超えた。宝ホールディングスは独立社外取締役を1人増員する予定で、3分の1以上の確保を目指す。

 企業が取り組みを急ぐのは、議決権の行使基準を厳格化する機関投資家の増加に加え、環境や社会問題に配慮した「ESG投資」の広がりが背景にある。大和総研(東京)の吉川英徳主任コンサルタントは「株主の『物言う化』の広がりで経営に対する強い緊張感がもたらされ、今まで以上に一般株主の目線を意識した経営判断を行うケースが増えつつある」と指摘する。

 今年の株主総会は、M&A(企業の合併・買収)や協業による成長戦略も注目点だ。日本電産はオムロンの主力部門である車載部品事業を1千億円で買収すると発表。三洋化成工業は同業の日本触媒との経営統合で基本合意し、ワコールホールディングスはスポーツ用品大手のデサントと業務提携した。重要な決断を下した経営トップの説明のほか、米中貿易摩擦や10月に予定される消費増税の対策なども焦点となる。

【 2019年06月18日 08時44分 】

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