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事件で従業員4割死傷、京アニ再起を世界が支援 募金20億円に

事件発生から1カ月がたった京都アニメーションの第1スタジオ(18日午前11時52分、京都市伏見区)
事件発生から1カ月がたった京都アニメーションの第1スタジオ(18日午前11時52分、京都市伏見区)

 京都市伏見区の「京都アニメーション」第1スタジオの放火殺人事件で、同社は従業員165人の約4割に当たる69人が死傷した。事業への影響は甚大で、来年以降に予定していた新作の公開は不透明になっている。一方、原画などのファイルを保存していたサーバーは焼損を逃れ、データの回収にも成功。支援の輪は世界に広がっており、再起に向けた動きも出てきた。

 第1スタジオは、従業員の半分に当たる70人が働いていた京アニの心臓部。事件で監督やベテランスタッフ、伸び盛りの若手を奪われた。

 京アニは、9月に新作映画「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」の全国公開を予定していたほか、来年1月には「劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン」、来夏には「Free!」シリーズ劇場版新作など、新しい作品の公開を控えている。

 「ヴァイオレット・エヴァーガーデン外伝」は美術監督を務めた渡邊美希子さん(35)=京都府井手町=の死亡が確認されたが、事件前にほぼ完成していたこともあり、事件後、予定通り9月6日からの上映が発表された。他の作品について京アニの代理人弁護士は「すべて検討中と言うほか、お伝えできる情報がない」とし、映画関係者も「先は全く見通せない」と語る。

 京アニは今月14日、アニメ化や文庫化を狙う小説を募っていた「第11回京都アニメーション大賞」の作品募集の一時停止を発表。「スタッフ一同、(事件の)事後対応に当たっている」ためとする。また、11月3~4日に左京区の市勧業館(みやこめっせ)で開く予定だったファン感謝イベントも内容を大幅に見直すと発表した。

 一方、第2スタジオ(宇治市)や大阪の子会社では事件後も創作を続けていて、軽傷者の中には既に出社している人もいる。第1スタジオにあったサーバーはコンクリートに覆われた部屋に置いてあったため、ラックに張ってあったふせんがそのまま残っていたほど無傷だった。代理人弁護士によると、回収に成功した原画などのデータは「非常に多量、かつ多数」に上るという。

 京アニ支援の輪は、世界に広がっている。同社が先月24日に設けた専用口座には、国内外の個人や企業から16日現在で既に20億円近くの支援金が集まった。同社の1年分の売上高(2018年3月期は24億円)に並ぶ規模になっている。支援の広がりについて代理人弁護士は「作品が多くの方々に届き、かけがえのないものとして愛していただいているからであると考えている」と感謝している。

【 2019年08月20日 08時30分 】

ニュース写真

  • 事件発生から1カ月がたった京都アニメーションの第1スタジオ(18日午前11時52分、京都市伏見区)
  • 京都アニメーションの主な支援先
岸田繁 交響曲第一番・第二番 連続演奏会 2019.10.5

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