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激戦必至、上位2人までがマラソン代表 MGC15日号砲

MGCに出場するワコールの福士(右)、一山(中央)、安藤=7月、西京極陸上競技場(現・たけびしスタジアム京都)
MGCに出場するワコールの福士(右)、一山(中央)、安藤=7月、西京極陸上競技場(現・たけびしスタジアム京都)

 東京五輪代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」が15日、東京都心の五輪本番とほぼ同じコースで行われる。実力者が一堂に会する激戦必至のレースには男子31人、女子12人が出場する。自国開催となる来年の五輪に向けて初めて実施されるレースで、男女とも2位までが代表となる。

 京都関係は、男子が上門大祐(大塚製薬、北稜高|京産大出)と京都府与謝野町出身の一色恭志(GMO)が挑戦する。女子は福士加代子、安藤友香、一山麻緒のワコール勢と、前田彩里(ダイハツ、佛大出)が出場権を得ている。

 五輪代表残り1枠には、男女とも2019年秋から20年春にかけて行われる国内主要3大会で日本陸連の設定記録を破った最速の選手を選ぶ。突破者が出なければMGCの3位が代表となる。スタートは男子が午前8時50分、女子が同9時10分。

■自然体の新境地、5大会連続の五輪狙う 福士加代子

 トラック種目を含めて5大会連続の五輪を狙う女子最年長の福士は、自らの内面と向き合いつつ、新たな境地を模索している。

 1月の大阪国際女子は転倒して途中棄権。練習中から緊張し過ぎていたといい、「食べても食べてないような状態。体がうまく反応してくれなかった」。名古屋ウィメンズはレース前にでんぐり返しで緊張をほぐし、MGC出場権を得た。

 4月に太ももに痛みを感じ、レースを回避していたが、7月から合宿に参加。過去の自身の走りを映像で見返し、「全部、駄目」と切り替えた。シンプルな思考を追求し、「よし、スタートしよ、と思えればいい」。レース展開や他の選手の動向などは「考えても無駄なことが多いのでやめた」と笑う。

 リオ五輪前のような力みはなく「スタートまでの準備がいかにできるか」と強調する。名だたるランナーが集うレースの展開を問われ、「耐久性なのか。誰かが仕掛けるのか。そこに自分も合わせられたら」と自然体を貫く。

■移籍をプラスに 安藤友香

 安藤は今回の出場者の中で最速タイムを持つ。腕の振りが小さい独特のフォームで走るスピードランナーだ。今季からワコールに移籍し、練習環境が変わった。「不安なくスタートラインに立つための準備をしたい」と大一番を見据える。

 同郷の岐阜県出身でシドニー五輪金メダリストの高橋尚子さんに憧れて陸上を始めた。「トラック種目は苦手」といい、愛知・豊川高時代から「勝負するならマラソン」との思いを抱いてきた。

 初マラソンとなった17年の名古屋ウィメンズで日本歴代4位の2時間21分36秒をマーク。一方、同年の世界選手権(ロンドン)は17位に終わり「弱い自分に負けた」。以降、自分に勝つことをテーマに走り続けてきた。

 5年間在籍したスズキ浜松ACから移籍したのは今年2月。同僚となった福士や一山の存在も「自分にないものを持っている」と刺激に感じている。MGCに向け、「けん制し合うだろうが、自分は前半から勝負しないといけない」と自らに言い聞かせる。

■先輩の背中追い、力伸ばす 一山麻緒

 一山は自身初マラソンとなった3月の東京と4月のロンドンの2レース平均記録で条件を上回り、MGC挑戦権を得た。22歳の新鋭は「MGC出場権獲得は(女子で最後の)15番目だった。本番は最初にゴールできたらかっこいい」と決戦をにらむ。

 マラソンを目指すきっかけは6年前のモスクワ世界選手権。福士が力走する姿に胸を打たれた。「東京五輪でマラソンを走る」との思いで入社し、先輩の背中を追って力を伸ばした。

 5、6月は股関節を痛め、十分に走れなかったが、有力選手も多く出場した7月の函館ハーフマラソンは自己ベストで制した。チームメートの2位安藤にも1分近い差をつけた。

 東京とロンドンは終盤に単独走になり、ペースダウンした。「本番では落ち幅を小さくし、一人にならないよう気をつけたい」と課題に取り組む。粘りが強みと自負し、「終盤まで食らい付き、ラストで一気にスパートをかけたい」と理想のレースを描く。

■完全復活目指す 前田彩里

 2015年世界選手権北京大会代表の前田彩里が悲願の五輪切符を狙う。けがに苦しみながら3月の名古屋ウィメンズでMGC出場を決めた。レース後は「やれることはたくさんあると感じている。MGCでしっかり走れるようにしたい」と意気込みを語った。

 熊本県出身。初マラソンは佛大4年の大阪国際で2時間26分46秒をマーク。ダイハツでは15年の名古屋ウィメンズを2時間22分48秒で走り、日本のホープに名乗りを挙げた。

 だが16年に左足首を手術し、リオ五輪は選考会にすら出場できなかった。復活への第一歩となった名古屋でも「状態は7割だった」と語ったが、元々の能力は高い。苦しい終盤でもペースを上げられる力強い走りを武器に、MGCで完全復活を目指す。

【 2019年09月11日 14時58分 】

ニュース写真

  • MGCに出場するワコールの福士(右)、一山(中央)、安藤=7月、西京極陸上競技場(現・たけびしスタジアム京都)
  • 名古屋ウィメンズでMGC出場権を獲得した前田彩里(3月、ナゴヤドーム)=撮影・佐伯友章
岸田繁 交響曲第一番・第二番 連続演奏会 2019.10.5

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