・調査対象の消費者の78%が、経済的な問題が重要な懸念事項と回答
・51%がより持続可能な消費を実践したいと考えているが、66%にとっては価格の高さがそれを阻む要因となっている

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに伴う消費者の懸念が世界的にやや緩和方向にあることが、「第7回 EY Future Consumer Index 日本語 / 英語) 」の結果で明らかになっています。調査対象の14,047人の消費者のうち、この「健康への危機」による生活への影響が少なくともあと1年は続くと考えている消費者は39%で、2021年2月時点の40%から減少しています。

新たに生じている重要なトレンドのひとつに、サステナビリティの優先がありますが、消費者が値ごろ感(アフォーダビリティ)を含む生活の他の側面についても再評価を行っている中でのことです。消費者の大半(64%)は、自らの消費行動が環境に及ぼす影響を重視したいと考えていますが、同時に、60%が消費する際には値段に見合うだけの価値があるかどうかにも注目するとしています。ここで、誰がサステナビリティのコストを負担するべきかという問題が生じます。

意図と行動のサステナビリティ・ギャップ
全体として64%の消費者が今後も引き続きコロナ禍以前よりも長時間を自宅で過ごすことになると回答しています。自宅は、仕事や、配達の注文、運動、娯楽の場となっており、こうした状況は環境と社会に好影響をもたらすサステナブルな選択へと消費者を向かわせる計り知れない機会を提示しています。サステナブルで環境に優しい商品を以前より購入するようになったと回答している消費者は今や全体の31%を占めているほか、64%が社会の利益となるなら行動パターンを変えてもいいと考えています。

しかし消費者の78%は、COVID-19によるパンデミックが家計に及ぼす影響を心配しており、パンデミック以前よりも価格重視で商品購入を検討するとの回答も53%に上ります。こうした傾向はサステナブルな行動を前向きに捉える姿勢が長続きするかどうかを不透明にしています。消費者の多くは多額の資金を投じてサステナビリティに関連した大規模な社会的目標の達成に貢献するよりも、ローインパクト(低環境負荷)でコスト不要の、節約になる行動を目指しています。実際、消費者の過半数(56%)がサステナブルな行動をとるのは主にそれが節約になる場合であると回答しています。特に多かったのが、省エネ行動(85%)や使用済みパッケージの再利用・再使用(83%)、マイバッグ持参(83%)など、消費者の家庭での主要な行動です。

サステナビリティのコストは誰が負担するのでしょうか?
上記のとおり金銭的なコミットメントをしない消費者は、大半(68%)が、社会的および環境的に望ましいアウトカムを率先して達成するという役割を企業に期待しています。企業は市場に変革をもたらす、サステナビリティを重視したプロセスとイノベーションを通じて大きなインパクトを実現できる力を備えている、と消費者は考えています。大規模な多国籍企業は生産工程で発生するムダを削減すべきであると28%が回答しているほか、全体の25%が企業は温室効果ガスの排出量を削減すべきとの考えを示しています。

EY Future Consumer Indexではまた、サステナビリティに関する教育格差が消費者間にあることもわかっており、61%が買い物の際により良い選択をするためにはより多くの情報が必要だと回答しています。このことから、消費者がサステナブルな選択ができるよう主導し導くには、消費財企業と小売業者の透明性への信頼性と必要性を高める必要があることが分かります。したがって、サステナブルな製品・サービスには認識面の課題への対応が求められます。消費者の多くは、低品質についての懸念(67%)、高価格(66%)、「グリーンウォッシング」や欺瞞的と疑われるマーケティングを経験したことによる信頼感の欠如(60%)を、そうした製品・サービスの利用を妨げる要因として挙げています。

EYグローバル・コンシューマー・リーダーのクリスティーナ・ロジャースは次のように述べています。
「行動と意図の間のギャップを埋めることができるよう、企業は消費者を導く必要があります。利益を出しつつそうするには、企業は考え方を変え、サステナビリティを尊重してビジネスの価値を引き出し、サプライヤーや同業の企業、競合相手、そして消費者と協働する新たな方法を見出さなければなりません。またそのためには、市場の混乱とともに進み、変化する消費者に適応して、人々と地球のためにより良い未来を実現することも必要となるでしょう」

また、EY Japan消費財・小売セクター リーダーの平元 達也は次のように述べています。
「日本でも、サステナビリティに対する意識は高まっています。消費者は、サステナブルな対応において企業や組織が主導的立場を担うべきと考えています。また、消費者は、サステナブル対応のためのコスト負担に対しては積極的ではありません。消費者のサステナビリティに対する期待に応え、消費者が許容できる価格でサステナブルな商品・サービスを提供することが出来るか否かが、今後の企業の成長に大きく影響します」

国によって異なるサステナビリティについての認識
EY Future Consumer Indexによると、個人的に最も懸念しているサステナビリティの問題は何かという質問に対する消費者の回答には世界各地である程度の相違が見られます。米国(62%)と英国(73%)ではプラスチックごみが最大の懸念事項とされた一方、中国では大気汚染、ブラジルでは水質汚染(93%)が首位を占めます。つまり、どの企業にも適応できるアプローチというものはなく、サステナビリティの問題に対処する際には地域ごとの微妙な差異を考慮する必要があるでしょう。

EY Future Consumer Index の最新版はこちらをクリックしてください:
日本語:CEOが直面する喫緊の課題:サステナビリティを消費者の手に届くものにする
英語:The CEO Imperative: Make sustainability accessible to the consumer

 
※本プレスリリースは、2021年6 月24日(現地時間)にEYが発表したプレスリリースを翻訳したものです。英語の原文と翻訳内容に相違がある場合には原文が優先します。

英語版プレスリリース:
https://www.ey.com/en_gl/news/2021/06/ey-future-consumer-index-68-of-global-consumers-expect-companies-to-solve-sustainability-issues

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本ニュースリリースは、EYのグローバルネットワークのメンバーファームであるEYGM Limitedが発行したものです。同社は、英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。

〈EY Future Consumer Indexについて〉
EY Future Consumer Indexは、タイムホライズンとグローバル市場を対象に、変化する消費者のセンチメントと行動を追跡し、台頭しつつある新たな消費者セグメントを識別するものです。このIndexは、どの変化がコロナ危機への一時的な反応で、どの変化がより根本的な転換なのか、そして、コロナ禍後の消費者行動がどのようになるかについて、通常の経年的指標と独自の観点を提供します。第7回EY Future Consumer Indexでは、2021年4月16日から5月10日までの期間に米国、英国、カナダ、ブラジル、フランス、イタリア、ドイツ、スペイン、デンマーク、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、インド、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、中国、インドネシア、日本、オーストラリア、ニュージーランドの14,047人の消費者を対象に、調査を実施しました。