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【フィレンツェ(イタリア)、ボストン2022年5月20日PR Newswire=共同通信JBN】
*Emerald試験は、全患者集団とESR1変異患者群の両方で主要評価項目である無増悪生存(PFS)を達成
*12カ月後のPFS率は、全患者集団でelacestrant使用が22.32%に対して標準治療(SOC)が9.42%、ESR1変異患者群では26.76%対8.19%だった
*elacestrant(エラセストラント)が、疾患憎悪または死亡のリスクを全患者集団で30%、ESR1変異患者群で45%と有意に低減させたことがデータで示された
*fulvestrant(フルベストラント)と比較してelacestrantは統計的に有意なPFSを示し、全患者集団で憎悪または死亡のリスクを32%、ESR1変異患者群で50%低減させた

Menarini Group(「Menarini」)とRadius Health, Inc.(「Radius」)(NASDAQ:RDUS)(総称して 「両社」)は20日、ER+/HER2-の進行性あるいは転移性の乳がんの治療で、elacestrantの単剤治療を標準治療(SOC:fulvestrant(フルベストラント)またはアロマターゼ阻害剤(AI))と比較評価する第3相主臨床試験EMERALD(NCT03778931)のデータがJournal of Clinical Oncology(ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー)誌に掲載されたと発表した(注 1)。elacestrantは、ER陽性/HER2陰性の進行性乳がん患者を対象とした第3相試験で、SOCと比較してPFSを有意に改善し、管理可能な安全性を示した初の選択的経口エストロゲン受容体分解薬(SERD)である。

ハーバード大学医科大学院マサチューセッツ総合病院がんセンターの乳腺腫瘍医・乳がん研究部長で、EMERALD臨床試験の治験責任医師を務めたAditya Bardia博士は「CDK 4/6阻害剤を含む初期治療ラインで進行したER陽性の転移性乳がんに対する安全かつ有効な経口SERDニーズは、差し迫っているものの満たされていない。EMERALDは、ER陽性/HER2陰性の進行性乳がん患者を対象としたグローバルな無作為化第3相試験で、経口SERD elacestrantの単剤療法が標準治療と比較して有意に臨床転帰を改善することを証明した初の試験である。併用療法の開発および早期乳がん患者を対象とする新規内分泌療法の評価のため、さらなる研究が必要だ」とコメントした。

Journal of Clinical Oncology誌で報告されているように:

患者は、1次ないし2次治療で内分泌療法およびサイクリン依存性キナーゼ(CDK)4/6阻害剤を投与中または投与から1カ月以内に疾患が増悪した。化学療法の1次治療を受けていた可能性もある。

*43%が進行性乳がんに対する2回の内分泌治療歴があった
*22%が進行性乳がんに対する化学療法を受けていた
*48%からエストロゲン受容体1遺伝子(ESR1)の変異が検出された

患者は、elacestrant(400mgを毎日経口投与)群かfulvestrant、AIのいずれかのSOC群に1対1の割合で無作為に振り分けられた。プロトコルは、fulvestrantの治療歴のある患者にはAI、AIの治療歴のある患者にはfulvestrantの投与を推奨した。

試験に登録した患者477人のうち、239人がelacestrantを投与された。

fulvestrantを投与された165人の患者うち、転移性疾患の治療にfulvestrantを投与されていた6人を除く全員がAIで前治療を受けていた。AIを投与された73人のうち、4人を除く全員がfulvestrantで前治療を受けていた。

主要評価項目は、全患者集団およびESR1変異検出患者群での盲検下独立中央評価(IRC)によるPFSとした。

elacestrantは、全患者集団で30%、ESR1変異患者群で45%と疾患の増悪または死亡のリスクを有意に低減した。

*無増悪生存期間(PFS)は全患者で延長した(HR=0.70; 95% CI, 0.55-0.88; P=0.0018)
*PFSはESR1変異のある患者で延長した(HR=0.55; 95% CI, 0.39-0.77; P=0.0005)

12カ月後のPFS率は、全患者集団ではelacestrant治療群が22.3%だったのに対しSOC群は9.4%、ESR1変異群では26.8%対8.2%だった。

elacestrantを投与された患者に治療中、最も多く発現した有害事象(AE)は、軽度または中等度の胃腸事象だった。

最も多かったAEは吐き気だった。

*重症度不問:elacestrantを投与された患者の35%、fulvestrantを投与された患者の16%、AIを投与された患者の25%

*重度(グレード3または4):elacestrantを投与された患者の2.5%、SOCを投与された患者の0.9%

治療に関連したグレード3/4のAEは、elacestrantを投与された患者の7.2%、SOCを投与された患者の3.1%に発現した。elacestrantを投与された患者の3.4%、SOCを投与された患者の0.9%が、治療関連AEにより治療を中止した。

EMERALDで化学療法の治療歴のない患者のサブグループ分析は、米臨床腫瘍学会(ASCO) 2022(要約:1100)で発表される予定。

Menariniは併用試験を続け、ER+/HER2-患者の満たされていない最も高いニーズへの対処にelacestrantが有効である可能性を研究していく方針である。

▽elacestrant(RAD1901)とEMERALD第3相試験について
elacestrant(エラセストラント)は、Menariniがライセンスを取得した選択的エストロゲン受容体分解薬(SERD)で、ER+/HER2-の進行性乳がん患者に1日1回投与する経口治療薬として使用できるかどうかの評価が行われている。elacestrantは2018年、米食品医薬品局(FDA)からファストトラック指定を受けた。EMERALDに先立ち完了した前臨床試験で、本化合物は、単剤または他の治療法との併用で乳がん治療に使用できる可能性があることが示されている。EMERALD第3相試験は、ER+/HER2-の進行性/転移性乳がん患者の2次治療または3次治療の単剤療法としてelacestrantを評価する、無作為化・非盲検・実薬対照試験である。本試験には、CDK 4/6阻害剤を含む内分泌療法での1次または2次の治療歴のある患者477人が登録された。本試験に参加した患者は、elacestrantを投与する群と、治験責任医師が選択した承認済みホルモン剤を投与する群に無作為に振り分けられた。本試験の主要評価項目は、全患者集団およびエストロゲン受容体1遺伝子(ESR1)に変異のある患者群における無増悪生存(PFS)である。副次評価項目は、全生存期間(OS)、客観的奏効率(ORR)、奏効期間(DOR)の評価である。

▽参考文献
(注1)Bidard FC, Kaklamani VG, Neven P, et al. Elacestrant (oral selective estrogen receptor degrader) Versus Standard Endocrine Therapy for Estrogen Receptor-Positive, Human Epidermal Growth Factor Receptor 2-Negative Advanced Breast Cancer: Results From the Randomized Phase III EMERALD Trial. [ https://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.22.00338 ] J Clin Oncol. 2022 May 18:JCO2200338. doi.org: 10.1200/JCO.22.00338. Epub ahead of print.

▽Menariniについて
Menarini Groupは、売上高40億ドル超、従業員数は1万7000人を超える国際的な大手医薬品・診断薬企業である。Menariniは、満たされていないニーズの高い治療分野に重点を置き、心臓疾患、腫瘍、呼吸器疾患、消化器疾患、感染症、糖尿病、炎症、鎮痛用の製品分野に注力している。18の生産拠点と9の研究開発センターを有するMenariniの製品は、世界140カ国で販売されている。詳細については、www.menarini.com を参照。

▽Radiusについて
Radiusは、骨の健康、希少疾患、腫瘍分野の満たされていない医療ニーズへの対応に注力しているグローバルなバイオ医薬品企業である。Radiusの主力製品TYMLOS(R)(abaloparatide、アバロパラチド)注射薬は、骨折リスクの高い閉経後の骨粗しょう症女性の治療薬として米食品医薬品局(FDA)の承認を受けている。Radiusの臨床パイプラインには、男性の骨粗しょう症治療に使用できる可能性のある治験薬のabaloparatide注射薬、閉経後女性の骨粗しょう症治療に使用できる可能性のある治験薬のabaloparatide経皮薬剤送達システム、Menarini Groupにライセンス供与した、ホルモン受容体陽性乳がん治療薬として使用できる可能性のある治験薬のelacestrant(RAD1901)、当初はプラダーウイリー症候群、アンジェルマン症候群、乳児けいれんを標的とし、複数の神経内分泌、神経発達、または神経精神疾患で使用できる可能性のある治験薬、合成カンナビジオール内服液RAD011などがある。

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ソース:Menarini Industrie Farmaceutiche Riunite