滋賀県立美術館で開催の「おさんぽ展 −空也上人から谷口ジローまで−」の見どころを紹介します。

   

■散歩という身近なテーマで、 時代やジャンルを超え、様々な作品を紹介します。
日常生活の一コマにある散歩。この展覧会では、時代もジャンルも様々な作品を、散歩という身近なテーマで紹介します。 作品に表された散歩の風景から、どんなところを散歩しているのだろうという興味や、これは散歩なのだろうかという疑問も湧き起こってくるかもしれません。そうした体験は、作品の世界をより親しいものにしてくれるでしょう。 様々な作品の間をそぞろ歩くように、「アートさんぽ」をお楽しみください。

■地域で大切に守り伝えられてきた、 貴重な文化財も展示。
本展では、滋賀の地が守り伝えてきた文化財もご紹介します。たとえば重要文化財に指定されている《空也上人立像》は滋賀県近江八幡市の荘厳寺に、滋賀県指定有形文化財の《一向上人像》は米原市の蓮華寺に、《一遍上人像・六字名号》は長浜市の浄信寺に伝わっているものです。空也、一遍、一向は、人々に念仏を勧めて諸国を歩いた遊行の聖としてよく知られているでしょう。人々の救済のために諸国を巡り歩くというのは、本展がテーマとする散歩とは異なる歩行のあり方です。しかしそうした歩く僧侶たちの姿が、人々の信仰を集め、肖像という形で今日まで大切に伝えられてきたことを知っていただきたく、本展ではこれらも展示しました。

■『孤独のグルメ』の漫画家 谷口ジローの珠玉の名作『歩くひと』。 身近な場所への視線から生まれる穏やかな風景を原画で。
『孤独のグルメ』が幅広く親しまれる漫画家谷口ジロー。谷口は2000年代初めからフランスをはじめ海外でも高い評価を得てきました。その谷口ジローが描いた『歩くひと』は、自宅とアトリエのあった東京清瀬を舞台に、何気ない日常の中の出会いを細やかに描いています。『歩くひと』第3話「町に出かける」から、 住宅や畑が混在する風景の中を歩く様子を描いたカラー原画1点、第4話「木のぼり」の全8ページ分の原画8点に加え、谷口自身が撮影し作画の参考資料としたカラー写真を展示します。

 ■重要文化財を含む74作品をお楽しみください。
展覧会では、26の所蔵者・所蔵機関から出品される、48作家の74作品を、一部展示替えを行いながら紹介します。たとえばかつて切手になったことでも人気の高い金島桂華《画室の客》は、後期のみの展示となります。重要文化財2作品、滋賀県指定有形文化財1作品、大阪市指定有形文化財2作品、そして、現在活躍中のアーティストの作品を含め、散歩や歩くことをめぐって生まれた、時代やジャンルも様々な選りすぐりの作品をお楽しみください。