「京都シネマSTAFFの今月のオススメ」では、京都シネマで公開される毎月の上映作の中から、
京都シネマスタッフによるイチオシ作品をご紹介します。
7月のオススメはこちら!
★カイエ・デュ・シネマ誌TOP10 ★ローリング・ストーン誌TOP20
ゴダールへの愛がつまった、無名の若者たちによる軽やかな青春。
ヌーヴェルヴァーグ=新しい波。1950年代後半のフランスで台頭した新世代の監督たちが、既存のルールに縛られず、むしろ抗うようにノンプロ俳優を起用し、自由な発想によるロケーション撮影と即興演出を実践していった映画運動です。そうして世に出たヌーヴェルヴァーグの作品群は、それまでの伝統的なスタジオ映画とはまったく異質の躍動感とみずみずしさを獲得しました。
そんなヌーヴェルヴァーグの“決定打”として語り継がれる金字塔が『勝手にしやがれ』。 監督は、2022年に91年の生涯を自ら閉じたジャン=リュック・ゴダール。当時、まだ28歳でした。破格の衝撃性とともに映画史上に革命を起こしたこの傑作、その舞台裏を描くなんて、なんと大胆な試みだろうと驚きます。一歩間違えれば、非難の嵐に晒されるはず。そんな月に向かってはしごをかけるような試みに挑んだのは、アメリカの映画監督リチャード・リンクレイターです。そんな懸念をよそに、本作は大好きなことに熱中することの喜びと創作のすばらしさを描き、驚くほど軽やかでバイタリティーがほとばしる一作となりました。
フランソワ・トリュフォーの長編デビュー作『大人は判ってくれない』が、カンヌ国際映画祭で絶賛された1959年。その夏、トリュフォーらとともにカイエ・デュ・シネマ誌で執筆活動をしていたジャン=リュックは、ジャン=ポール・ベルモンドとアメリカの若手女優ジーン・セバーグを主演に起用した念願の初長編映画『勝手にしやがれ』に着手します。ところが型にはまった演技を嫌い、事前のリハーサルも脚本もなく、ゲリラ撮影や即興演出を好むゴダールの型破りなやり方に、プロデューサーやスタッフ、セバーグは困惑を隠せません…。
リンクレイター監督にとって初のフランス語作品となったこの映画は、決して一部のシネフィルだけに向けられた時代ものではありません。“ヌーヴェルヴァーグ”という名のもとに集まった仲間たちのおふざけや心意気、仲間意識、不遜な態度。そして、大胆にもはぎ取られたゴダールの神性。リンクレイター監督ならではの軽やかさによって再現された伝説的傑作の舞台裏は、まだ何者でもない若者だったゴダールと仲間たちが無謀とも思える挑戦に身を投じる姿を生き生きと描き出します。そしてそこには、ゴダールの遊び心が確かに息づいているのです。

執筆:川添結生(京都シネマ)
7月10日(金)公開
『ヌーヴェルヴァーグ』
(原題)Nouvelle Vague
2025/フランス/106分
監督:リチャード・リンクレイター
プロデューサー:ミシェル & ローラン・ペタン
脚本:ホリー・ジェント & ヴィンス・パルモ 出演:ギヨーム・マルベック、ゾーイ・ドゥイッチ、オーブリー・デュラン 協賛:Chanel 配給:AMGエンタテインメント 後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ 日本語字幕:井村 千瑞
©Glanderco, LLC. ©JeanLouisFernandez
※俳優・上白石萌歌が予告編ナレーションを担当!
<上白石萌歌コメント全文>
”映画へのあこがれと愛の詰まったラブレターのような作品。
いつだってあたらしい時代を切り拓いてゆくひとは、型破りで規格外で身勝手で、そしてどこまでも透き通った自由を持っているのだと思った。”
【映画『ヌーヴェルヴァーグ』公式HP】
▶https://nouvellevague-movie.com/
【AMG公式チャンネル/Youtube】
予告SPOT映像はこちら
【京都シネマ公式HP】
▶上映時間などの詳細は京都シネマ公式ホームページにてご確認下さい。

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