本展について
京都は、近代⽇本画を牽引する⽂化的中⼼地として発展し、多くの優れた⽇本画家の輩出の基盤となってきました。しかし戦後、1945(昭和20)年以降になると旧体制を反省する⾵潮のなかで、伝統⽂化である⽇本画への批判の声が⾼まります。既存の権威や制度への反発から「⽇本画はすでに過去のものであり、滅びゆく運命にある」という主張も登場しました。そうして戦後、⽇本画に逆⾵が吹きます。そうしたなか京都では、⽇本画の枠組みを⾒つめ直し、⾰新を模索して前へ進もうとする「前衛⽇本画」の運動が活発化していくこととなります。戦後を担う気鋭の若⼿画家たちがその中⼼となり、同志が集まって意欲的な美術団体が結成されました。京都という⽇本画制作の中⼼地にいたからこそ、旧態依然とした⽇本画を⾝近に批判することができ、⽇本画の将来を創造する底⼒を⾒せることができたといえます。京都市⽴絵画専⾨学校、のちの京都市⽴美術⼤学(現在の京都市⽴芸術⼤学)もまた、同世代の⽇本画家たちをつなぐ場となり、前衛運動の基盤となりました。
担当学芸員|森光彦