京都国立博物館で開催の特別展「宋元仏画 -蒼海を越えたほとけたち」の特色・展示構成について紹介します。
【本展の特色】
① “東アジアの最高峰 ”が集う、過去最大の「宋元仏画」展
宗教性と芸術性において極めて高い水準をもち、“東アジアの最高峰 ”ともいえる貴重な「宋元仏 画」の数々を、過去最大規模でご紹介する展覧会です。
② 雪舟や長谷川等伯、俵屋宗達など日本の巨匠たちの名作も登場
「宋元仏画」と日本美術には、深いつながりがあります。牧谿( もっけい )を筆頭とする禅宗絵画の溌溂とした水墨表現は、日本の巨匠たちの創作に取り入れられ、多くの傑作に結実しました。
③ 京都会場のみの限定開催
本展の出品作の多くは京都の寺院に伝えられました。2025年秋、京都国立博物館だけの特別な機会をお見逃しなく。
【展示構成】
■第一章 宋元文化と日本
古くから中国の文物を大事にしてきた日本で、とくに尊ばれたのが「宋元」のものでした。 足利将軍家のコレクションを筆頭に日本人が憧れてきた宋元文化を紹介します。
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「宋元仏画」を今に伝えた立役者『君台観左右帳記』 |
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■第二章 大陸への求法―教えをつなぐ祖師の姿
仏教の先進国だった中国に教えを求めて海を渡った日本僧。当地の僧侶に教えを受け、多くの文物を持ち帰りました。中国の祖師たちの肖像から、在りし日の交流が偲ばれます。
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いち早く宋に至った日本僧 奝然(ちょうねん)の偉大なる功績 宋(北宋)が建国され、国内の整備が進められるなか、入宋を果たした日本僧が奝然(938~1016)でした。東大寺僧として活躍した奝然は、仏教聖地の巡礼を志し、983年8月、朝廷の許可を得て商船に乗り、宋に至ります。都の開封では宋の第二代皇帝・太宗に拝謁を許され、国家事業として完成したばかりの版木から刷った、摺本一切経一セット(5048巻)を下賜されるなど、国使のような厚待遇で迎えられました。三年ほどの滞在で念願であった聖地巡礼を果たした奝然は、986年、帰国の途につきます。奝然が北宋から日本にもたらした仏教文物は、先の摺本一切経のほか、仏舎利を収めた七宝合成塔、白檀製の釈迦像など極めて貴重なものばかりでした。唯一現存する釈迦像は、生前の釈迦の姿を写したとして信仰されていた像を模して、奝然が中国の職人に依頼して造らせたもので、京都・清凉寺に伝わっています。 |
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■第三章 宋代仏画の諸相―宮廷と地域社会
きわめて高度な絵画表現に達した宋代仏画はいかに生まれてきたのでしようか? 誕生の背景とともにその圧倒的な魅力を紹介します。
■第四章 牧谿(もっけい)と禅林絵画
南宋の禅僧画家・牧谿は、水墨画の名手であり、日本でもっとも愛された中国画家です。代表作「観音猿鶴図」を基点に、禅の絵画の豊かな水墨世界をご堪能ください。
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日本でもっとも愛された中国画家・牧谿 |
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■第五章 高麗仏画と宋元時代
宋と元の隣国だった高麗では、高度に洗練された独自の仏画が作られました。宋元仏画との関連性とともにその魅力を紹介します。
■第六章 仏画の周縁―道教・マニ教とのあわい
中国で長く信仰されてきた仏教と道教は、互いに影響しあい、美術においてもそれぞれの要素が混在することがありました。視点を少し変えて、宋元仏画を見ていきます。
■第七章 日本美術と宋元仏画
本展の最後に、宋元仏画がいかに日本美術の成熟の拠りどころとなってきたのかを見渡します。