滋賀県立美術館で開催の企画展「コレクター福富太郎の眼-昭和のキャバレー王が愛した絵画-」の見どころを紹介します。

■見どころ

1 なんといっても鏑木清方(かぶらききよかた)! 鏑木清方の優品10 数点を展示
コレクター福富太郎にとって、美術作品を収集する大きなきっかけとなった鏑木清方(1878-1972)は特別な存在でした。本展では、清方の美人画の代表作のひとつとされる《薄雪》(1917 年)や、妖艶な雰囲気が際立つ異色作《妖魚》(1920 年)など、福富が心血を注いでコレクションした清方の優品10 数点を展示します。また晩年の清方から福富に宛てた、2人の交流を物語る手紙も一部ご紹介します。

2 女性の姿、古今東西 多彩な画家が描く女性の肖像
福富コレクションの特徴のひとつとして、日本画、油彩画ともに女性の姿を描いた作品の充実ぶりが挙げられます。本展では、全出品作80 点のうち、実に68 点が女性像、あるいは女性が登場する作品です。たとえば、上村松園(うえむらしょうえん)《よそほい》(1902 年頃)のような晴れの日の姿、北野恒富(きたのつねとみ)《道行》(1913 年頃)のような一途な愛を貫こうとする姿、また満谷国四郎(みつたにくにしろう)《軍人の妻》(1904 年)のような戦争への悲しみを見せる姿など、東西の画家が描く女性たちのさまざまな表現をご覧ください。

3 コレクターの審美眼にシビれる! 独自の信念で蒐集された作品群
福富は、従来の画家への評価などはあまり気にせず、自身が良いと感じた作品を積極的に収集しました。その結果として、日本画から油彩画まで、非常にバラエティ豊かで魅力的な作品が福富の手元に集まりました。福富コレクションの全貌を紹介する本展をとおして、コレクター福富太郎の審美眼のすばらしさとユニークさを感じていただけます。

4 作品への思いが伝わる 福富の言葉を展示室に掲示
本展では、福富が残した言葉を展示室の各所に掲示。福富の収集作品や画家への思いを知ることができ、絵画作品と合わせて鑑賞することでコレクションへの理解がより一層深まります。

■福富太郎について

福富太郎氏肖像写真

東京都品川区に生まれる。「健全娯楽」をモットーにキャバレーチェーンを経営し、日本各地に44 店舗を展開。テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍し、軽快かつユーモアあふれる語り口で親しまれた。美術品のコレクターとしては、独自の審美眼によって作品を選定。浮世絵や、鏑木清方をはじめとする日本画のほか、油彩画も収集し、美術をテーマにした講演会や美術雑誌の連載、テレビ出演などさまざまなメディアをとおして、幅広い世代に美術作品の魅力や楽しみ方を伝える活動にも力を注いだ。