「京都シネマSTAFFの今月のオススメ」では、京都シネマで公開される毎月の上映作の中から、
京都シネマスタッフによるイチオシ作品をご紹介します。
11月のオススメはこちら!
これぞ、ジム・ジャームッシュ!真骨頂にして最高傑作。
アウトサイダーとして、独自のスタイルを確立してきたジム・ジャームッシュ監督。音楽やファッション、インテリアなど、監督自身の偏愛が貫かれたそのスタイルは、映画界のみならず多くの人々を魅了してきました。『パターソン』以来、6年ぶりの新作『ファザー マザー シスター ブラザー』は、ヴェネチア国際映画祭では最高賞である金獅子賞を受賞。ニュージャージー、ダブリン、パリを舞台に、風変わりな父と子、正しすぎる母と子、そして両親を亡くした双子の姿を通して、厄介で複雑な家族の肖像をオフビートに描きます。
ニュージャージー州の田舎町。妻に先立たれ、ひとりで暮らす父のもとへ、姉弟が会いにやってきます。最近のことを尋ねても、的の外れた答えを返す父にふたりは戸惑います。ダブリンでは、年に一度のお茶会を催す母のもとへ、娘たちが集まります。静かな物腰の母ですが、その瞳はまるでタカのように鋭く光り、厳しい一面を覗かせます。そしてパリ。両親を飛行機事故で亡くした双子は、思い出を辿りながら、知らなかった両親の一面に触れていきます……。
「父」の章では、わざと部屋を散らかし、みすぼらしい暮らしをする父の姿が、「母」の章では、母が望む成功を手にしているのだとアピールする娘たちの姿が描かれます。家族が一緒にいること自体が、必ずしも安心できるわけではありません。互いの言動を観察し、相手からの評価を気にする。親密なはずの関係が、互いを意識せずにはいられない窮屈なものになっているのかもしれません。その気まずく重苦しい空気に風穴を開けてくれるのが双子の章です。多くを語らずとも自然に一緒にいられるふたりの姿は、家族だからこそ互いを意識せずにはいられない、前の二章とは対照的です。ささやかなユーモアが家族の不和を包み込みますが、ドラマチックな和解はありません。姉弟は父の謎を解き明かすことはないし、母と娘たちの距離は埋まらない。双子はもう両親と会えないという寂しさを抱えながら生きていくのでしょう。面倒で厄介な家族の肖像。その物語の流れに身を委ねると、どこからか爽快な風が吹いてくるかもしれません。
執筆:川添結生(京都シネマ)
11月20日(金)公開
ファザー マザー シスター ブラザー
(原題)『Father Mother Sister Brother』
2025|米、他|111分
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:出演:トム・ウェイツ、アダム・ドライバー、メイム・ビアリク、シャーロット・ランプリング
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【映画配給会社gaga /NOROSHI『ファザー マザー シスター ブラザー』公式HP】
▶https://gaga.ne.jp/FMSB_NOROSHI/
【ギャガ公式チャンネル/Youtube】
予告SPOT映像はこちら
【「ジム・ジャームッシュレトロスペクティブ2026」】
ジム・ジャームッシュ監督特集上映決定!
初期の名作から近年の大ヒット作まで、選りすぐりの傑作5本。
12/18(金)より京都シネマにて上映!!
上映作品の詳細は公式HPをご覧ください
【上映スケジュール】
上映時間などの詳細は京都シネマ公式ホームページにてご確認ください。

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