京都市京セラ美術館で開催の「どこ見る?どう見る?西洋絵画! ルネサンスから印象派までーサンディエゴ美術館 feat.国立西洋美術館ー」の見どころと展示構成を紹介します。
 

■本展の見どころ■

★日本初公開のサンディエゴ美術館コレクションから54点が京都にやってくる!

★スペイン美術の名品が勢ぞろい!エル・グレコ、スルバラン、ムリーリョ、ソローリャ…サンディエゴ美術館、実はスペイン美術の宝庫です。

★スペインの静物画、「ボデゴン」の最高傑作が来日!フアン・サンチェス・コターン《マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物》サンディエゴ美術館の顔ともいえる重要作です。

★他にも有名作家が続々登場!
ジョット、ジョルジョーネ、ルーベンス、ゴヤ、ロートレック…。ルネサンスから19世紀まで、西洋絵画600年の歴史を知る絶好の機会です。

★ヒントを基に深堀りするからわかる西洋絵画の面白さ!初めての美術鑑賞にもピッタリです。

■展示の構成■

Chapter 1|ルネサンス

西洋近代美術の礎は、14~16世紀にかけて、イタリアとネーデルラント(現在のベルギー、オランダ)で起こった革新運動によって築かれ、ヨーロッパ各地へ伝播しました。ジョットからボス(工房)まで、両地域のルネサンス絵画の展開を探ります。

・Column1肖像画に魂を吹き込んだ謎の画家 ジョルジョーネ Giorgione 

ジョルジョーネは、ヴェネツィアにおける盛期ルネサンス絵画の創始者とされる画家です。緻密なディテールの描写と柔らかな陰影表現を組み合わせることで、人物の風貌の特徴のみならず実在感までを表現することに成功した本作は、ルネサンス肖像画の傑作の1点に数えられます。33歳で早逝したジョルジョーネの現存作は30点ほどと極めて少ないため、日本国内で展示されることは大変稀です。
本展では、16世紀後半のヴェネツィア絵画を代表するティントレットの肖像画とともに展示、同地における肖像画制作の展開を検証します。

Chapter 2|バロック

サンディエゴ美術館の充実したバロック絵画コレクションを基に国立西洋美術館所蔵の優品を組み合わせながら、17 世紀美術の展開をスペイン、イタリア及びフランス、フランドル及びオランダと、地域別にご紹介します。スルバランは17 世紀スペイン絵画を代表する画家の一人で、主に南部のセビーリャで活躍しました。多くのカトリック聖人像を描いたことから「修道僧の画家」とも呼ばれます。本展には4作品が出品されます。

・Column2 静から動へ From stillness to movement #映える野菜たち

17世紀初頭、スペインではボデゴンと呼ばれる独自の静物画のジャンルが花開きます。その始祖とされる画家サンチェス・コターンは早くして僧籍に入ったため、静物画は6点しか現存しません。その中でも最も高く評価される《マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物》の展示は、本展のハイライトを成します。

Chapter 3|18世紀

この時代の美術をリードしたイタリア絵画とフランス絵画の展開に焦点を当て、両館のコレクションから風景画、肖像画、風俗画それぞれのジャンルにおける地域ごとの特徴を見ていきます。18世紀ヨーロッパでは、グランド・ツアーと呼ばれるイタリア旅行が流行。それに合わせてヴェドゥータと呼ばれる都市景観画が各地でもてはやされました。イタリア人画家ベロットは水の都ヴェネツィアの名所を明るい陽光のもと迫真的に描き出しました。

・Column3ロココ VS 新古典 女性ファッション対決
Rococo versus Neoclassical: battle of the outfits #勝負服で挑む肖像画

18世紀末から19世紀初頭にかけて、フランスでは数多くの女性芸術家が活躍しました。カペとブノワもそうした二人で、女性が初めて出品を認められた1791年の官展に出品しています。カペの自画像では、ヴォリュームを強調した巻き髪や淡いブルーのリボンとドレスがロココの雅なファッションを伝えるのに対し、ブノワの女性像は、ギリシャ彫刻を思わせる薄手の白いシュミーズドレスの上にショールをまとい、より簡潔な新古典主義の時代の到来を伝えています。

Chapter 4|19世紀

本章では、19世紀における人物表現に着目します。新しい時代に求められる近代性と古典的な絵画伝統のはざまで葛藤した画家たちの多様なあり方を探ります。革命期から第二帝政期にかけてフランスで活動したオノレ・ドーミエは、パリの都市生活を鋭い観察眼で捉えた油彩画を制作しました。時を同じくして、ドミニク・アングルなどアカデミー派の画家たちは伝統に根ざした理想的な人物像を確立していました。少し時代が下るブーグローはアカデミーの規範に従った様式で描きながらも農村の少女など純真で無垢なモデルを甘く感傷的に描きました。19世紀絵画の多彩な魅力をご紹介します。

・Column4スペインの陽光 Spanish Sunshine

スペイン人画家ソローリャは、生前にアメリカで極めて高い人気を誇りました。ベラスケスやゴヤなどスペインの写実絵画の伝統を受け継ぎながら、子どもたちや自身の娘など身近なモデルの何気ない仕草や表情を捉えた作品に本領を発揮しました。
画業の後半では、戸外制作を重視しました。スペイン各地の風俗や庶民の姿を描いた彼の円熟期の作品には、スペインの明るい太陽の光が素早い筆致で描かれています。