細見美術館で開催する特別展「良寛さんーその人と禅ー」の見どころを紹介します。
良寛(1758~1831年)は、越後出雲崎(現・新潟県三島郡出雲崎町)の名主の長男として生まれながら、出家して清貧を貫いた禅僧です。草庵で独り厳しい生活を送りつつ、子どもと戯れ、友と交わり、多くの漢詩や和歌を遺しました。ことに、その書は「日本書美の極致」ともたたえられるほど、芸術性が高く独創的なことで知られています。
本展では、良寛の代表作でありながら長らく公開されなかった「凧文字 天上大風」や「長歌 月の兎」をはじめ、珠玉の作品を一堂に展示します。
|第1章|野の禅僧 良寛
良寛は、厳しい禅修行に励みましたが、寺の住職にはならず、越後(現・新潟県)の国上山(くがみやま/現・燕市)の草庵に独居し、清貧の生活を送りました。そして、釈尊に倣い、托鉢を通して民衆に寄り添い、仏の道を伝えていきました。子どもらと手毬つきをするなど、慈しみの心を人々に注いでいったのは有名です。このような良寛の何ものにもとらわれない自由な精神は、時空を超えて多くの人々に慕われています。
|第2章|求道者 良寛
良寛というと、子どもたちと手毬をして遊んだり優しいお坊さんというイメージを思い浮かべますが、実は人々を救おうという強い信念を持ち、”菩薩行(ぼさつぎょう)”を実践した禅僧でした。良寛は、玉島(現・岡山県倉敷市)の円通寺で熱心に禅を学ぶとともに、越後に帰郷してからは他の宗派の教義も熱心に学び、宗派の垣根を越えて人々に仏の道を伝えていきました。
|第3章|草庵つれづれ
良寛は、草庵の生活の中で感じたことや思いを多くの詩歌にしています。その詩歌を読むと、良寛のみずみずしい感性が伝わってきて、心豊かに生きていたことがうかがえます。また、知人から物を贈られた時の礼状を見ると、良寛のあたたかな人柄が伝わってくるものが多くあります。良寛は、慈愛に満ちた野の禅僧でした。