京都新聞社について
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社長あいさつ
Top message

 「京都新聞の色に染まらないでください」

 入社式では、記者になる新入社員たちを前に、こう呼び掛けるようにしています。100年以上続く旧態依然の新聞では、特に若い人たちにニュースが伝わらないと痛感しているからです。

 ニュースに触れる手段は、新聞やテレビから、YouTubeやXなどのSNSに移りました。いや、そもそもニュース自体が敬遠されているように感じています。メディア環境が時代の転換期を迎えるなか、デジタルネイティブのみなさんの感性、価値観、個性がきっと、ニュースの発信の仕方を豊かにし、新聞社の働き方を改革する原動力になると確信しています。

 私には今、大切にしていることが三つあります。私の誇りでもあります。

 一つ目は、「多様な人材」です。

 京都新聞には、現役京大出身者も多浪経験者も、元いじめられっ子も引きこもり体験者も、医師資格のある人も公務員からの転籍組もいます。まさに個性あふれる記者集団です。新聞の重要な役割の一つは、同時代を生きる市井の人たちの思いに耳を傾け、その生き様を伝えること。そのため、新聞社には様々な経験をした人材が不可欠だと思っています。

 二つ目は、「自由な議論」です。

 新聞社の役割の一つは、言うまでもなく権力監視です。政治、行政、司法などの権力に対し、物申すことが仕事なのに、社内で自由に意見が言えない雰囲気は望みません。若手記者もベテラン記者もフラットな関係で議論することを目指しています。

 三つ目は、「逃げない姿勢」です。

 ネット空間にはマスコミへの不信感が広がっています。2019年の京アニ放火殺人事件では、「遺族が拒んでいるのに、なぜ実名を報じるのか」などと批判が相次ぎました。記者たちは取材する側の葛藤も赤裸々に伝えながら、報道の必要性や改善すべき点を、ネット空間に対しても積極的に表明してきました。そこには炎上を恐れず、社会と向き合う姿勢がありました。その姿勢は今も変わっていません。





 多様な人材、自由な議論、そして、逃げない姿勢―。この三つを大切にしている延長線上に、2024年度の新聞協会賞受賞(「京アニ放火殺人事件連載企画『理由』と公判報道」)や「World Press Photo(世界報道写真コンテスト)」入賞(「700万人時代-認知症とともに生きる」の写真シリーズ)など、数々の評価があると自負しています。

 われらは正義を守る
 われらは自由を守る
 われらは真実を守る

 私たちは、この社是のもと、報道を続けています。フェイクニュースや一方的な主張があふれる現代社会において、この社是はますます重みと輝きを増しています。

 冒頭、若い人たちにニュースが伝わらないと記しました。その原因は手段の問題だけではなく、本質は新聞が若い世代に役立っていないからではないかと危惧しています。
 
 新聞は「シニア世代のもの」ではありません。
 
 幅広い世代に支持される「新しい新聞」にしたい。

 京都新聞の新しい未来を一緒につくりませんか。
京都新聞社代表取締役社長 主筆
大西 祐資