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ニュース編集部
廣瀬 聡子
報道部
佐々木 千奈
報道部
衣川 千尋
写真部
吉原 直歩
報道部
平野 巧
デジタルビジネスセンター
高橋 祐
心つかむ言葉が生み出す 未知との出会い

ニュース編集部 廣瀬 聡子
福岡県出身 2017年入社
京田辺・学研支局や南部総局(宇治市)を経て、2019年から現職
京田辺・学研支局や南部総局(宇治市)を経て、2019年から現職
「産前産後、休みは8週だけ 県警初の女性警視 誰かの妻や母でなく『私』として」。滋賀県警の生え抜きで初めて女性警視が誕生した記事に、見出しをつけました。公開すると、パソコン画面に表示されるページビュー(PV) のグラフが、じわりと上向きます。たった今配信された記事を、どれくらいの人が読んでいるのか、分刻みで反応が見えます。反応は上々でした。2023年10月にネット記事の配信担当になって、初めての勤務日のことでした。
ネット向け記事の見出しを考えるとき、記事を指先でタップしてもらう姿を想像します。性別や世代、自分自身が驚いた要素、印象的な言葉、京都や滋賀以外の人にも共通の話題かどうか…。広大なインターネットの「海」から、たった1本の記事を見つけ出してもらうため、40文字の中に言葉の「フック」を仕込みます。どの記事が誰の目に留まるか分からない、紙の読者以外にも届く、そんな可能性に満ちた海だと思います。
23年9月、京都アニメーション放火殺人事件の第3回公判を伝える特設紙面の編集を担当しました。被告人質問から被告の生い立ちや犯行に至る前の様子が、約5千字にわたって書き留められた記事を掲載しました。スマートフォンで1度に読むのは少し辛い量です。
「離婚前 経済状況は『中の下』」「父『準優勝の盾、燃やしてこい』 言われたことをする、それだけ」「県庁勤務『仕事面白かった』」―。長い原稿の区切りになる見出しとして、被告の言葉を拾い上げていくと、事件を起こすまでの人生が、広いページに浮かび上がります。見出しを追うだけでその浮き沈みや転機が誰にでも伝わるよう、注意深く言葉を選びました。
見出しに適した言葉を選んでかみ砕く作業は、媒体に合わせて視点を変える必要があります。それでも、読者の心を引きつける工夫をするという意味では、紙でもネットでも同じです。記事の最初の読者として、伝えるべきことは何か、面白いポイントはどこか、見極める目を養い続けたいです。丁寧で緻密な言葉探しの向こうに、読者と記事の未知なる出会いが必ずあると信じています。
ネット向け記事の見出しを考えるとき、記事を指先でタップしてもらう姿を想像します。性別や世代、自分自身が驚いた要素、印象的な言葉、京都や滋賀以外の人にも共通の話題かどうか…。広大なインターネットの「海」から、たった1本の記事を見つけ出してもらうため、40文字の中に言葉の「フック」を仕込みます。どの記事が誰の目に留まるか分からない、紙の読者以外にも届く、そんな可能性に満ちた海だと思います。

23年9月、京都アニメーション放火殺人事件の第3回公判を伝える特設紙面の編集を担当しました。被告人質問から被告の生い立ちや犯行に至る前の様子が、約5千字にわたって書き留められた記事を掲載しました。スマートフォンで1度に読むのは少し辛い量です。
「離婚前 経済状況は『中の下』」「父『準優勝の盾、燃やしてこい』 言われたことをする、それだけ」「県庁勤務『仕事面白かった』」―。長い原稿の区切りになる見出しとして、被告の言葉を拾い上げていくと、事件を起こすまでの人生が、広いページに浮かび上がります。見出しを追うだけでその浮き沈みや転機が誰にでも伝わるよう、注意深く言葉を選びました。
見出しに適した言葉を選んでかみ砕く作業は、媒体に合わせて視点を変える必要があります。それでも、読者の心を引きつける工夫をするという意味では、紙でもネットでも同じです。記事の最初の読者として、伝えるべきことは何か、面白いポイントはどこか、見極める目を養い続けたいです。丁寧で緻密な言葉探しの向こうに、読者と記事の未知なる出会いが必ずあると信じています。
今の自分だから持てる視点、生かしたい

報道部 佐々木 千奈
滋賀県出身 2020年入社
南丹支局を経て、2022年から現職
南丹支局を経て、2022年から現職
「年の離れたきょうだいを育てていると、上の子を連れて市の遊び場や子育てイベントに参加できず、困っている」。読者からの依頼や疑問をもとに記者が取材をする双方向報道「読者に応える」に、京都市内で子育てをする女性からこんな投稿が寄せられました。早速取材を申し込み、話を聞きに行きました。
投稿主は、小学生と乳幼児の母親でした。下の子が生まれ、休日に遊具を備える子ども向け施設を利用しようとしても「小学生の入場不可」といった制限のせいで利用ができなかったことを話してくれました。別の子育てイベントでもきょうだいの同伴が難しいと言われて参加を断念した経験があり、子ども2人と過ごせる場所がないと感じて休日は自宅で過ごすことが増えたといいます。「年上のきょうだいがいる赤ちゃん連れが気軽に遊べる場所をつくってほしい」。そう訴える女性の言葉には、年の差育児ならではの孤独感がにじんでいました。体格差のある子どもがぶつかってけがを防ぐなど、安全な運営のために設けられた制限が思わぬところで見えない「壁」となっている現状を記事で伝えました。
報道部で、京都市内のまちの話題を扱う市民版を担当しています。私自身も2022年に第一子が生まれ、23年4月に仕事に復帰したばかり。これまでは関心のなかった子育て関連の話題にもおのずと興味を持つようになり、取材のアンテナが広がったような気がします。
「京都」と聞くと、歴史ある寺社仏閣や景観があり、世界中から多くの人が訪れる観光地を想像するかもしれません。オーバーツーリズムなど、観光都市ならではの課題も確かに多いです。しかし、そんな京都にも他都市と変わらない日常があります。読者が抱いた疑問から、長年住民に愛された店の閉店など、京都で暮らす人々の営みやまちの変化を間近で感じられ、さまざまな出会いや思わぬ発見があって面白いです。
冒頭の記事の掲載後、女性から一通のメッセージが届きました。「新聞読みました。私が感じていたことを社会に届けてくれてありがとう」。育児をしながら記者の仕事をしていると、子どもの急な発熱で取材の予定を変更したり、休まなければいけなくなったりと、仕事が思うように進まないこともあります。けれど、この言葉を受け取り、子育て中の今だからこそ書ける記事もあるのかもしれないと、前向きに考えることができました。新聞社にはいろいろな記者がいるからこそ、それぞれの興味・関心や問題意識が幹を伸ばし、枝を広げることで、多様で厚みのある記事が書けるのだと思います。これからも自分の視点を生かして読み応えのある記事を届けたいです。
投稿主は、小学生と乳幼児の母親でした。下の子が生まれ、休日に遊具を備える子ども向け施設を利用しようとしても「小学生の入場不可」といった制限のせいで利用ができなかったことを話してくれました。別の子育てイベントでもきょうだいの同伴が難しいと言われて参加を断念した経験があり、子ども2人と過ごせる場所がないと感じて休日は自宅で過ごすことが増えたといいます。「年上のきょうだいがいる赤ちゃん連れが気軽に遊べる場所をつくってほしい」。そう訴える女性の言葉には、年の差育児ならではの孤独感がにじんでいました。体格差のある子どもがぶつかってけがを防ぐなど、安全な運営のために設けられた制限が思わぬところで見えない「壁」となっている現状を記事で伝えました。

報道部で、京都市内のまちの話題を扱う市民版を担当しています。私自身も2022年に第一子が生まれ、23年4月に仕事に復帰したばかり。これまでは関心のなかった子育て関連の話題にもおのずと興味を持つようになり、取材のアンテナが広がったような気がします。
「京都」と聞くと、歴史ある寺社仏閣や景観があり、世界中から多くの人が訪れる観光地を想像するかもしれません。オーバーツーリズムなど、観光都市ならではの課題も確かに多いです。しかし、そんな京都にも他都市と変わらない日常があります。読者が抱いた疑問から、長年住民に愛された店の閉店など、京都で暮らす人々の営みやまちの変化を間近で感じられ、さまざまな出会いや思わぬ発見があって面白いです。
冒頭の記事の掲載後、女性から一通のメッセージが届きました。「新聞読みました。私が感じていたことを社会に届けてくれてありがとう」。育児をしながら記者の仕事をしていると、子どもの急な発熱で取材の予定を変更したり、休まなければいけなくなったりと、仕事が思うように進まないこともあります。けれど、この言葉を受け取り、子育て中の今だからこそ書ける記事もあるのかもしれないと、前向きに考えることができました。新聞社にはいろいろな記者がいるからこそ、それぞれの興味・関心や問題意識が幹を伸ばし、枝を広げることで、多様で厚みのある記事が書けるのだと思います。これからも自分の視点を生かして読み応えのある記事を届けたいです。
人の痛みを想像できる記者でありたい

報道部 衣川 千尋
兵庫県出身 2020年入社
宮津支局を経て、2023年から現職
宮津支局を経て、2023年から現職
「自分の記事で社会を変えたい」。記者という仕事がどんなものかよく分からないまま、採用試験の面接でそう宣言した覚えがあります。思い返すと、鋭い取材で事実を暴き、「ペンは剣よりも強し」を体現する敏腕記者たちへのあこがれが、一番の志望動機でした。入社後、そんな理想がはるか遠くにあることを思い知らされつつ、ニュースの最前線に立つ楽しさや、自分の書いた原稿が記事として形になる充実感を、日々味わうことができています。
2023年春から京都府警を担当しています。警察官への取材に加え、昼夜を問わず発生する事件や事故、火災への対応にあたります。事件取材はチームプレーが鉄則。キャップと呼ばれる先輩記者の指示を受け、現場を駆け回ります。それぞれの記者がわずかな情報をかき集め、真実に迫ります。
記者とは「10を知って1を書く仕事」だ、と教わりました。しかし府警担当になり、「1でも書ければいいほうだ」と感じることも多いです。ある事件のときには、真夏の太陽の下で数日間、聞き込みを続けましたが、記事になったのはわずか7行でした。別の事件では、現場近くから続く血痕を同僚とはいつくばるようにして追いかけましたが、あとになって動物の血だと分かり、徒労感だけが残りました。
だからこそ、満足のいく記事が載ったときの達成感は大きいです。ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者への嘱託殺人事件では、初公判に合わせ、難病当事者の「患者の『生きたい』を支える社会を作って」という訴えを紙面で伝えました。京都アニメーション放火殺人事件では、被告の半生をたどり、事件の背景にある孤立や生きづらさを連載で描きました。社会から切り捨てられようとする人に寄り添い、他人の痛みに想像力を働かせられる記者でなければならないと思います。
ニュースになるのは捜査機関から得られる情報だけではありません。現場を歩いたり、関係者への聞き込みをしたりする中で、点と点が線でつながることもたくさんあります。及び腰になるような緊張感のある取材が多いですが、入社以来、デスクや先輩から教わった〝記事は足で書く〟を実感しています。
京アニ事件の企画では、担当の記者が何度も集まり、事件が明らかにした社会の課題や死刑制度の是非について話し合いました。若手からベテランまで、分け隔てなく意見を出して議論する風土が、この職場にはあると感じています。時代の風をとらえた、より良い記事や紙面を読者に届けたいという仲間が増えることを願っています。
2023年春から京都府警を担当しています。警察官への取材に加え、昼夜を問わず発生する事件や事故、火災への対応にあたります。事件取材はチームプレーが鉄則。キャップと呼ばれる先輩記者の指示を受け、現場を駆け回ります。それぞれの記者がわずかな情報をかき集め、真実に迫ります。

記者とは「10を知って1を書く仕事」だ、と教わりました。しかし府警担当になり、「1でも書ければいいほうだ」と感じることも多いです。ある事件のときには、真夏の太陽の下で数日間、聞き込みを続けましたが、記事になったのはわずか7行でした。別の事件では、現場近くから続く血痕を同僚とはいつくばるようにして追いかけましたが、あとになって動物の血だと分かり、徒労感だけが残りました。
だからこそ、満足のいく記事が載ったときの達成感は大きいです。ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者への嘱託殺人事件では、初公判に合わせ、難病当事者の「患者の『生きたい』を支える社会を作って」という訴えを紙面で伝えました。京都アニメーション放火殺人事件では、被告の半生をたどり、事件の背景にある孤立や生きづらさを連載で描きました。社会から切り捨てられようとする人に寄り添い、他人の痛みに想像力を働かせられる記者でなければならないと思います。
ニュースになるのは捜査機関から得られる情報だけではありません。現場を歩いたり、関係者への聞き込みをしたりする中で、点と点が線でつながることもたくさんあります。及び腰になるような緊張感のある取材が多いですが、入社以来、デスクや先輩から教わった〝記事は足で書く〟を実感しています。
京アニ事件の企画では、担当の記者が何度も集まり、事件が明らかにした社会の課題や死刑制度の是非について話し合いました。若手からベテランまで、分け隔てなく意見を出して議論する風土が、この職場にはあると感じています。時代の風をとらえた、より良い記事や紙面を読者に届けたいという仲間が増えることを願っています。
二度と出会えない一瞬、逃さない

写真部 吉原 直歩
大阪府出身 2021年入社
北部総局(福知山市)を経て、2023年から現職
北部総局(福知山市)を経て、2023年から現職
入社後すぐにペン記者として、福知山市にある北部総局へ赴任しました。全くなじみのない土地でしたが、地域住民との関係づくりから始めようと、担当する各市町を回って取材を重ねました。その中で美しい景観や残したい瞬間をたくさん見つけました。一面の雪で真っ白に覆われた福知山城、1週間通い続けて撮影した大江山から見える雲海など、逃せば二度と出会えない景色がありました。現場の各一瞬を自分で記録して読者に伝えたいと思い、写真部を志望しました。
写真部では、取材スタイルも使用する撮影機材も支局と全く変わりました。標準装備でもカメラ2台に複数の交換レンズ、ストロボに脚立など、総重量6キロほどになりました。出張取材も多く、想像していたよりも体力や忍耐力が問われます。特に野球やサッカーをはじめ、ルールの知識が無かったスポーツ取材に苦労しました。炎天下の高校野球の地方大会では、2試合で何千枚ものシャッターを切り続けました。先輩写真記者と行った京都サンガの写真取材では、ゴールシーンの撮影が難しく、紙面を飾る写真が撮れずに悔しい思いもしました。
2023年末から年始にかけて、首都圏で開かれた高校サッカー選手権の撮影を担当しました。滋賀県の近江高校が優勝候補を次々と倒し、滋賀県勢として18年ぶりに決勝へ進出。国立競技場の雰囲気にものまれず、勝利を目指して躍動する選手の姿を伝えたいと、どの瞬間も逃さないよう必死に撮影しました。スポーツに限らず、悲劇も歓喜も目の前で記録できるのはこの仕事の醍醐味だと思います。
新聞社の中でデジタルの比重が上がるとともに、写真や動画などビジュアルの力の強さと可能性を感じています。同じ記事でも紙面では写真の枚数が限られますが、デジタル版には複数枚と動画を載せることができます。さらにコンテンツの多様化により、動画編集作業やドローン撮影も担え、表現の幅は広がっています。刻々と変化する時代の波に置いて行かれないよう、新たな技術を柔軟に活用しながら貪欲に取材を続けたいです。

写真部では、取材スタイルも使用する撮影機材も支局と全く変わりました。標準装備でもカメラ2台に複数の交換レンズ、ストロボに脚立など、総重量6キロほどになりました。出張取材も多く、想像していたよりも体力や忍耐力が問われます。特に野球やサッカーをはじめ、ルールの知識が無かったスポーツ取材に苦労しました。炎天下の高校野球の地方大会では、2試合で何千枚ものシャッターを切り続けました。先輩写真記者と行った京都サンガの写真取材では、ゴールシーンの撮影が難しく、紙面を飾る写真が撮れずに悔しい思いもしました。
2023年末から年始にかけて、首都圏で開かれた高校サッカー選手権の撮影を担当しました。滋賀県の近江高校が優勝候補を次々と倒し、滋賀県勢として18年ぶりに決勝へ進出。国立競技場の雰囲気にものまれず、勝利を目指して躍動する選手の姿を伝えたいと、どの瞬間も逃さないよう必死に撮影しました。スポーツに限らず、悲劇も歓喜も目の前で記録できるのはこの仕事の醍醐味だと思います。
新聞社の中でデジタルの比重が上がるとともに、写真や動画などビジュアルの力の強さと可能性を感じています。同じ記事でも紙面では写真の枚数が限られますが、デジタル版には複数枚と動画を載せることができます。さらにコンテンツの多様化により、動画編集作業やドローン撮影も担え、表現の幅は広がっています。刻々と変化する時代の波に置いて行かれないよう、新たな技術を柔軟に活用しながら貪欲に取材を続けたいです。
地域に寄り添えばこそ、見える景色がある

報道部 平野 巧
滋賀県出身 2019年入社
宮津支局や滋賀南部総局(草津市)を経て、2024年から現職
宮津支局や滋賀南部総局(草津市)を経て、2024年から現職
滋賀県湖南地域4市(草津、守山、栗東、野洲)が担当エリアの滋賀南部総局(草津市)を拠点に取材していました。「総局」は「支局」とともに新人記者の多くが最初に配属される場所で、先輩記者に取材や記事執筆で分からない点を聞くことも多いです。行政や警察、文化など分野が細分化される本社とは異なり、担当自治体エリアでの出来事は何でも取材対象です。
記事を書く話題をいかに探すか。これは、地元の人々に寄り添ってきた京都新聞の得意分野です。取材先でのふとした会話をきっかけに別の大きな記事を書いた話を紹介します。
「大きな古時計 突如、針動く」。2024年1月17日の滋賀版にこんな記事が載りました。これは、何年も止まっていた草津小学校(草津市)の古時計が冬休みの間に突然、動き出したことを伝える記事で、能登半島地震の影響により再び時を刻み出したと考える学校関係者が、被災地や防災への思いを新たにする様子を紹介しました。
この話題を知る端緒は、1月9日に始業式を取材したことでした。その帰り際に校長先生からこのエピソードを聞き、ニュース価値があると感じました。私はニュース価値を「読者の気持ちを動かすもの」と捉えています。この記事の場合は、地域の読者に「子ども時代を懐かしんでもらえるかも」「身近な場所から防災を考える契機にしてほしい」という思いを込めました。
地域とのつながりで、思いがけない情報に接することがある京都新聞記者の仕事。それは、時として日本全国を巻き込んだニュースになることもあります。
前任地の宮津支局でのことです。新型コロナウイルス禍の2021年6月、12~15歳にワクチンを接種した京都府伊根町に接種反対の電話が殺到しました。京都新聞が記事をネットで配信すると瞬く間に拡散し、全国紙やテレビ局も相次いで報じました。当時は小中学生の接種について国の明確な指針がなく、国政課題が地方から浮き彫りとなりました。
また、時に地域の話題は世界情勢とも関わっています。同年11月、国内の冷凍ズワイガニが前年の1.8倍に高騰し、日本海側の京都府北部の観光業が懸念を深めているという話題を掲載しました。その背景にあったのは、米国の旺盛なカニ需要などです。それが巡り巡って地域経済に影響が出た形でした。地域を通じて世界を見るのも、記者の大事な仕事だと思っています。
紹介した3つの記事は、地域に密着する京都新聞だからこそ、いち早く地元の話題や課題にたどり着けたことが共通点だと感じています。これらは一例で、実際には出身地も経験も違う多くの記者がそれぞれの視点で記事を書くことで、バラエティー豊かな紙面となっています。就活生の皆さんが持つ経験も、ぜひ京都新聞で生かしてほしいです。
記事を書く話題をいかに探すか。これは、地元の人々に寄り添ってきた京都新聞の得意分野です。取材先でのふとした会話をきっかけに別の大きな記事を書いた話を紹介します。
「大きな古時計 突如、針動く」。2024年1月17日の滋賀版にこんな記事が載りました。これは、何年も止まっていた草津小学校(草津市)の古時計が冬休みの間に突然、動き出したことを伝える記事で、能登半島地震の影響により再び時を刻み出したと考える学校関係者が、被災地や防災への思いを新たにする様子を紹介しました。
この話題を知る端緒は、1月9日に始業式を取材したことでした。その帰り際に校長先生からこのエピソードを聞き、ニュース価値があると感じました。私はニュース価値を「読者の気持ちを動かすもの」と捉えています。この記事の場合は、地域の読者に「子ども時代を懐かしんでもらえるかも」「身近な場所から防災を考える契機にしてほしい」という思いを込めました。

地域とのつながりで、思いがけない情報に接することがある京都新聞記者の仕事。それは、時として日本全国を巻き込んだニュースになることもあります。
前任地の宮津支局でのことです。新型コロナウイルス禍の2021年6月、12~15歳にワクチンを接種した京都府伊根町に接種反対の電話が殺到しました。京都新聞が記事をネットで配信すると瞬く間に拡散し、全国紙やテレビ局も相次いで報じました。当時は小中学生の接種について国の明確な指針がなく、国政課題が地方から浮き彫りとなりました。
また、時に地域の話題は世界情勢とも関わっています。同年11月、国内の冷凍ズワイガニが前年の1.8倍に高騰し、日本海側の京都府北部の観光業が懸念を深めているという話題を掲載しました。その背景にあったのは、米国の旺盛なカニ需要などです。それが巡り巡って地域経済に影響が出た形でした。地域を通じて世界を見るのも、記者の大事な仕事だと思っています。
紹介した3つの記事は、地域に密着する京都新聞だからこそ、いち早く地元の話題や課題にたどり着けたことが共通点だと感じています。これらは一例で、実際には出身地も経験も違う多くの記者がそれぞれの視点で記事を書くことで、バラエティー豊かな紙面となっています。就活生の皆さんが持つ経験も、ぜひ京都新聞で生かしてほしいです。
社会にとって価値ある創造へ 技術で貢献

デジタルビジネスセンター 高橋 祐
岩手県出身 2022年入社(キャリア採用)から現職
新聞の発行部数減が叫ばれて久しいですが、スマートフォンなどの普及により、デジタル媒体を通して人々が情報に触れる機会はむしろ増えています。そういった新たな接点を活用して読者にニュースを届ける取り組みに技術面で貢献することが、私の主な仕事の一つです。
目下、特に力を入れているのは、自社ニュースサイトを中心に様々なチャネルにおけるデータを活用した運営・編集を支える仕組み作りです。
どういったコンテンツがどのように読まれているのかを分析するため、記者ら編集現場の人は様々な指標の数字を確認し、コンテンツ作りや配信計画に活用しています。そういったデータへ手間をかけずにアクセスできるよう、データ分析用のダッシュボードを内製開発しました。PHPのLaravelをメインのフレームワークとして採用し、BigQueryなどのクラウドサービスも活用して構築しています。
また、デジタルの収益モデルの転換も重要な取り組みの一つです。以前のデジタル収益は多くの記事を無料配信し、プラットフォームから支払われる配信料や、広告収益を中心にしていました。しかし、それらはいずれもわずかな収益しか上げられず、それだけでメディアを安定して運営させることは難しいです。現在はサブスクリプションモデルを中心に据え、有料購読してくれる読者に満足してもらう為のサービス開発に日々取り組んでいます。
前職はWeb開発のクライアントワークで、多くのプロジェクトを経験してきました。その中で学んだ社内外のステークホルダーとのコミュニケーションや進行スキル、開発技術は、今も生かせている部分です。特に、前職ではベンダー側の立場だったため、設計や進行のコミュニケーション面で経験を生かすことが出来ています。
事業の特性上、新聞社にはその社会的役割に強い想いを持って入社する人が多いです。目的意識を同じくする同僚と、社会やそこで生きる一人ひとりにとって価値あるものを作る。そして、そこに技術で貢献する。エンジニアとしてこれ以上ない魅力だと感じ、入社を決めました。
地方紙にとって、デジタル化によるビジネスモデルの転換は未知の領域のチャレンジです。社内にも社外にも正解が無い状況は難しさもありますが、やりがいも大きいです。そもそも何を作るべきなのか、それをどうやって作るのか―。その両面に取り組めるからこそ、面白みを感じています。
目下、特に力を入れているのは、自社ニュースサイトを中心に様々なチャネルにおけるデータを活用した運営・編集を支える仕組み作りです。
どういったコンテンツがどのように読まれているのかを分析するため、記者ら編集現場の人は様々な指標の数字を確認し、コンテンツ作りや配信計画に活用しています。そういったデータへ手間をかけずにアクセスできるよう、データ分析用のダッシュボードを内製開発しました。PHPのLaravelをメインのフレームワークとして採用し、BigQueryなどのクラウドサービスも活用して構築しています。
また、デジタルの収益モデルの転換も重要な取り組みの一つです。以前のデジタル収益は多くの記事を無料配信し、プラットフォームから支払われる配信料や、広告収益を中心にしていました。しかし、それらはいずれもわずかな収益しか上げられず、それだけでメディアを安定して運営させることは難しいです。現在はサブスクリプションモデルを中心に据え、有料購読してくれる読者に満足してもらう為のサービス開発に日々取り組んでいます。

前職はWeb開発のクライアントワークで、多くのプロジェクトを経験してきました。その中で学んだ社内外のステークホルダーとのコミュニケーションや進行スキル、開発技術は、今も生かせている部分です。特に、前職ではベンダー側の立場だったため、設計や進行のコミュニケーション面で経験を生かすことが出来ています。
事業の特性上、新聞社にはその社会的役割に強い想いを持って入社する人が多いです。目的意識を同じくする同僚と、社会やそこで生きる一人ひとりにとって価値あるものを作る。そして、そこに技術で貢献する。エンジニアとしてこれ以上ない魅力だと感じ、入社を決めました。
地方紙にとって、デジタル化によるビジネスモデルの転換は未知の領域のチャレンジです。社内にも社外にも正解が無い状況は難しさもありますが、やりがいも大きいです。そもそも何を作るべきなのか、それをどうやって作るのか―。その両面に取り組めるからこそ、面白みを感じています。